小林由依 ページ5
夜明けまで強がらなくてもいい
ー
夜。
忘れてください、僕なんか…
ゼンマイ仕掛けの、夢から覚めた…
忘れられるわけ、ないよ……。
ベットの中で目を閉じたのはいいけど、なんだか眠れなくて。
ギターを持って、寮を抜け出した。
やってきたのは、眠れない日によく来る、寮のそばの展望台。
「……君は知ってるかい、渋谷川って…名前を聞いてもピンとこないだろう…」
ギターを鳴らして、歌ってみる。
だけど、やっぱり。
あの透き通った声が重なることはなくて。
「…………」
虚しくなって、音を止めようとしたその時。
『忘れられたように、都会の隅で、それでも確かにせせらぎ続ける…』
優しい声が重なった。
びっくりして、振り返ると。
「……A？」
なんで…。
『由依、こんな夜に出ていったから。危ないよ、可愛いんだから』
「あ…ごめん…」
我に返って時計を見ると、12時。
そりゃ心配するか…。
「ほんとごめん…帰ろう…」
『……ん？いいよ、帰んなくても』
「え…？」
『無理して忘れようとしなくてもいいよ…まだ』
'佑唯'のこと。
あぁ、どうしてわかっちゃうんだろう。
Aの綺麗な目を見て、思わず苦笑した。
いつもそうだ…。
Aは、メンバーが体調が悪かったり、少し落ち込んでいたりしたら、フラッとあらわれて、さり気なく声をかける。
そんな優しさに触れたら、思わず声が漏れ出た。
「私…このまま欅坂でいていいのかな…」
こんなに過去を引きずってて。
2期生も入ってきて、もう前を向いて、新しい欅坂46にならないといけないのに。
「…ごめん、忘れて」
不覚にも泣きそうになって、慌てて唇を噛む。
すると、なにか温かいものが私の頭に触れた。
みるとAが、私の頭を撫でている。
『由依はさ…どうしてそんなに、弱いところを見せようとしないの？自分で全部抱えて、一人で消化しようとして…壊れちゃうよ…』
「っ……」
『すっごい張り詰めてるよ…由依の空気…』
そう言われて、頭をギュッと抱きしめられる。
『もっと力抜いても、いいと思うんだ』
それが限界だった。
「っ…うっ…ｸﾞｽｯ…」
涙が目からこぼれ落ちる。
いつぶりかな、こんなに号泣したの。
『ねるも言ってたけど、本当に心配になる…泣きたいときは泣けばいいんだよ』
それからAは、私が泣き疲れて眠るまで、
ずっと抱きしめていてくれていた。
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星空鈴(プロフ) - 星月夜さん» ありがとうございます。そう言っていただきとても嬉しいです！できる限り頑張ってみたいと思います！ (2019年9月25日 21時) (
レス) id: 7f9dcff7be (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 文章長くなってすみません…。良ければお願いします。あの、でも、書きにくかったら、全然別の内容でも構いませんので…！なんか、星空鈴さんの小説、どれも好きなので…(笑) (2019年9月23日 15時) (レス) id: bf4928b3fa (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 星空鈴さん» え!?てち推し!?一緒ですね、嬉しいです!!そうですね…基本作者さんのお任せで!と言いたいところなんですけど…、(どんなてちでも好きなのｄ((殴）う〜ん…迷う(笑)あ、そうだ…すごくアバウトで申し訳ないんですけど、甘えん坊のてちが見たいかも…です。 (2019年9月23日 15時) (レス) id: bf4928b3fa (このIDを非表示/違反報告)
星空鈴(プロフ) - 星月夜さん» もし、てちのこんなお話が読みたいとかあったら、言ってくださると嬉しいです！ (2019年9月21日 18時) (レス) id: 7f9dcff7be (このIDを非表示/違反報告)
星空鈴(プロフ) - 星月夜さん» 読んで下さりありがとうございます！コメントすごい嬉しいです。平手友梨奈さんですね、少し時間はかかってしまうかもしれないんですけど、書かせていただきたいと思います！実は私もてち推しなんですよね(笑)。 (2019年9月21日 17時) (レス) id: 7f9dcff7be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星空 鈴 | 作成日時：2019年9月2日 17時
