本丸開拓だよ2 (ページ4)

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49.反発力ページ4

立ち上がり、もう一度蔵の前に立つ

上から羽織っていた羽織を脱いで近くに置いてから、今度は左手で自分の持てる力で扉を引っ張った

先程と同じように弾かれる様な反発力が腕を伝っていく

その衝撃に皮膚は耐えることが出来ずに裂け、みるみるうちに腕にまで切り傷が出来ていく
引っ張るうちに内部の筋力、骨にまで影響してきている事がすぐに分かった

(こんなの、何で作ったのよ､､､)

引っ張り続けている間、時間が長く感じる

今にも扉にかけている手を引いてしまいたい
気持ちに駆られるがなんとか押しとどめる

結界との根比べをしている内に次第に、

ピシッ

とガラスにヒビが入る音がした
そしてすぐに

パリンッ

結界が破けた

途端にどっと疲労感が押し寄せ、その場にへたりこんでしまう

息を整えてから、血が滴る右手を扉に掛けて
立ち上がった

フラフラと視界が回るような目眩に襲われながらも扉を開け、中を確認する

中には6振りの刀剣男士の姿を確認できた

『蔵の中の方達を広間へお連れして下さい。
　手入れをします』

後ろの石切丸さんと今剣さんにそう言って蔵を離れた

石切丸さんが本丸へ人手を呼びに行き、中の刀剣男士達は担ぎ出された

ｰｰｰ

『ふぅ､､､』

結界を取り払った疲労と左腕に掛かり過ぎた負荷を少しでも軽減させようと先に広間で待機している

誰もいない広間の端に座ってから、先に自分の手当てをしていく事にした

口を使い、器用に右手の擦り傷や切り傷に簡易的な止血の為の手ぬぐいを巻き付けていく
片手では結べないため口と手で引っ張りながらきつく縛るだけにした

右手の応急処置が終わった所で左手の状態を確認する
左手、というより左腕は自分の心拍と同じ速さで脈打つように痛みがズキズキと広がっている

右手は弾かれただけだったので指先や手の平だけで済んだが、左腕は長時間にも思える間、結界に触れていたので上腕辺りまで至る所に切り傷が出来てしまった
見た目もだけど気になるのが骨や筋肉の内部が怪しい

(どうしようか､､､)

ただ、今できる処置は無いため羽織で腕が見えないように隠すだけにした