本丸開拓だよ2 (ページ21)

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66.解体ページ21

(ああ､､､これは、もう、)

ヒヤリとした汗が背中を伝う。こういう時の嫌な予感は当たる

陸「おまえ､､､」

ドスの効いた声が後ろから聞こえた
それを聞いても管理人は怖がる素振りすら見せず、逆に嘲るように口角を上げている

「物に意思なんか与えるからこうなるのだよ。黙って人に従ってろ」

その言葉に彼はプチンと切れてしまった。振り向くと陸奥守さんが刀を抜いて振りあげようとしている
その瞬間にこの場を収める方法を考える

(力では敵わない､､､なら、当たりに行くしか､､､)

『陸奥守さん！お辞めくださ──』

咄嗟に前に出て陸奥守さんの刀を持つ手を片手で止めようとする

しかし、力の差は歴然なのでそのまま飛ばされてしまった
受け身のとり方なんて教わったこともなく、体勢を直せずに運の悪いことに門の壁面に顔面を打ち付けてしまった

『っ、いっ､､､』

頭まで衝撃はいかなかったが痛みで言葉も出ない
手で顔を抑えつつ、鼻が折れてないことに何故か安心してしまった

(受け身の練習しとけば良かった､､､でも、蚊が止まったくらいの感覚はあるよね､､､)

陸奥守さんもまさか私が止めに入り、それを振り飛ばすとは思ってなかったのか、刀を持っていた腕の動きも止まりこちらに顔を向ける

陸「っ！おまんは､､､どっちの味方なんじゃ？」
『多分､､､陸奥守さんの味方です､､､』

私自身もどっちの味方してるのか分からない
ただ、問題が起こるとここの本丸はまずい事になる
出来るだけ穏便に済ませたい

『陸奥守さん､､､落ち着いて下さい。私が対応しますので､､､』

痛みはあるものの今はそれに構ってる暇はない。とりあえず、彼には落ち着いて貰わなければ話ができない

しかし、それを見て、管理人が騒ぎ出した

「野蛮人が。人間に刃を向けるとは、この罪は重いですよ。やはり、この本丸は問題しかおきませんね。残していても何の得もありませんし、解体しなければ、」

それを聞いた瞬間、私の中の何かが揺らいだ

ぶつけた痛みが消えたのか、それとも痛みを忘れてしまったのかのように私の頭の中はそれどころではなくなった

すっと立ち上がり管理者に近寄り無理やり状況を説明する

『陸奥守さんは素振りをしておりました。私がそこへ気づかず入ってしまったのです』
「は？」