本丸開拓だよ2 (ページ11)

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56.一期一振2 ページ11

私だって、守れなかった弟達の傷を治してやりたい

だけど、何も体の傷だけではない
弟達が手入れを受けてくれるかは､､､

パンッ

何故、柏手を打っただけで弟達の傷が治ったのかは分からない

しかし、審神者殿が出ていった後、押し入れに隠れていた弟達は自身の傷が治ったことに驚きと喜びがあった

たった一度の手入れではあったのに、
何故か私の中には審神者殿への感謝と罪悪感の
念があった

乱「この庭は誰が掃除したんだろう？」
前「骨喰兄さんが審神者さんが掃除してるのを見たと言っていました」
乱「そう、なんだ。あの人が､､､」

審神者殿が倒れられてから2日

蔵に閉じ込められていた者達は審神者殿の指示通り手入れ部屋を使い、みな回復した

蔵の一件以降、この本丸の者達の中でも審神者殿への認識を改める者が出てきた
私もその一人なのかもしれない

薬研自身も利用しているという相手の傷の手当てのために離れに何度も通っている

私は、私達刀が個々の人格を持っているように、人もそれぞれ違う人格、人柄なのだという事を頭では分かっていた

分かってはいたが前任の主以降、
人間が受け入れられなかった

そして、守りたいものを守れなかった私は全てを遮断しようとしていた

しかし、そうして弟達を追い込んでいたのは人ではなく私自身だった

あの時、薬研の提案を受け入れていなかったらそれに気づかなかったかもしれない

今はあの提案を受け入れて後悔はしていない

ただ、これからは利用するのではなく、
対等に、審神者殿にお頼みしたい

弟達を私の仲間を