出会いと別れーSkyー星を紡ぐ子供たち (ページ4)

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捨てられた地ページ4

辺りを確認すると、厚い雲に覆われた砂漠の大地と、奥には何か壊れかけの宮殿のような建物が見える

降りてきたであろう上にある雲を見上げると、所々に穴が開いたようにできた隙間から太陽の光が差し込んでいた

それを見て確信した

(もう、戻れないな)

他の大地なら舞い戻りの像まで戻ることは出来る

だけど、ここはそれができない
あの空の上まで飛ぶことは不可能なんだ

だから、

(行くしかない)

ここに眠る精霊様と光の子達、最後の大精霊様、みんなを助けるために私は前へ、

進もうと―

したけど、

(カニ、多くない？)

歩き始めてすぐに、遠目に何かうごめくものが見える

近くまで寄ると砂漠の下には汚染された真っ黒な水、その中で沢山の蟹の姿が確認できた

蟹は雨林で見たことあったけど、その時は二、三匹程度だった

今目の前にいる蟹をざっと数えても十数匹はいそうな程である

(まさかこんなにうじゃうじゃいるとは思わなかった､､､)

蟹は色んな方向に進路を変え、視界に写った星の子に攻撃しようとしてくる

攻撃、といっても体当たりだけど、私達星の子からすればその体当たりで羽が散ることもある

だから、蟹がいる時は極力視界に入らず、入ってもすぐにその場を離れる
そうして、やり過ごしてきた

今この場も蟹との接触を最小限に抑えるなら真ん中を通った方が安全かもしれない

何故か蟹は真ん中の岩場を囲うように
空けている

それは、沢山の蟹達が真ん中を空けているのは
いくつもの闇の花が狂い咲いているからだろう

一つ一つの黒い花びらが青い光を放つその姿はどこか神秘的だけど、何か不吉なものを感じずにはいられない

何故だろう。闇の花も蟹も他の大地で見たことがある

なのに、

(他の所とは違う､､､)

他の大地とは違う異様な点がある

それに自分の中で何か違和感が生じている気がした

その違和感の正体は何なのか

なぜそう思ったのか

砂漠の下に見えた真っ黒な汚染された水を見たからだろうか
それとも捨てられたように残された宮殿を見たからなのか

私は、この先に待ち受ける見たこともない何かへ恐怖心を抱いている

そう感じながら私は宮殿へたどり着き、一度
息を整えてから、この先の暗い宮殿内部に足を踏み入れた