6.広間3 ページ7
広範囲に火傷を負っていた平野藤四郎さん、片目を潰された五虎退さん、足や手が曲がったままの浦島虎徹さん、喉を切り裂かれて声が出ない堀川国広さん、
重傷なのはとくに短刀から打刀までだった。
(何故だろう、、、)
そう思っていたら
「いたぶってる時に反応がないとつまらないだろ?」
と私の心を見透かしたように答えてくる先程の白髪で目が琥珀色の刀剣男士の名前は鶴丸国永さん、
「特に気に入った相手がいるとそいつの兄弟を痛めつけて反応を見たり、破壊寸前で手入れを加えて地獄を見せてくる、いい趣味してたやつだったぜ」
とつけ加えて話す。誰のことを言っているのかはだいたい見当はつく。だから反応してくれるであろう子達が的になったのか。
手入れをしていても彼らは震えているように見えた。
(もっと早くに助け出せれば、、、何か違ったかもしれない、、、)
そう願ってももう取り返しがつかない。
私が出来ることはこの広間にいない刀剣男士達の傷も治すことだろう、
ーーー
広間にいた全員の手入れが終わり、私は銃を手にしている陸奥守吉行さんに向き直った。
『私は今死ぬ訳には行きません、この本丸にいる全員を手入れし終えるまで死ねません』
そうはっきり言った。さっきまでどう逃げるか考えてたのに、自分でもどうかしてると思った。
片や銃を構え、片や丸腰というどう見たって私が殺される瞬間にしか見えないが正面から対立し自分の意志を伝えた。
しんと静まりかえる広間に
「なら手入れして欲しい奴がいるんだけど来てくれない?陸奥守も全員が手入れされてからこの人どうするか決めなよ」
と加州さんが言う。
この言葉に彼はどう反応するのか。緊張して冷や汗が止まらない。
しかし、陸奥守さんは銃を下ろし
「わしだけじゃないぜよ。審神者を恨んどる奴はもっとおる、」
そう脅されつつ鶴丸さんには
「驚いたな!結構肝座ってんなあんた!」
と背中を叩かれた。
(良かった、、、)
そうして広間をでて加州さんについて行くことになった。
26人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とり丸 | 作成日時:2020年4月29日 22時