45.偶然 ページ46
丁度、炊事場には燭台切さんがいた
食べ終わった食器を洗っている所だったが、
私の気配に気付いて振り返った
「あ、もう食べ終わったんだね。そこに置いといて。片付けるから」
『あの、、、。畑の先にある場所には何があるんですか?』
どこから話せばいいのか、どう話せば伝わるのか、頭の中で考えてるうちから、あの道の先が気になり、話がまとまらないまま直球で聞いてしまった
だけど、それを聞いて彼の手は止まった
「誰から聞いたの?」
『今日偶然見つけてしまい、そこで今剣さんとあったんです。話ができる状況にありませんでしたが、たしか、閉じ込める、と言っていました。』
「そっか、、、。」
そうして持っていた食器を置き
「君は助けてくれるのかい?」
今日の薬研さんと同様に聞いてきた。真っ直ぐ私を見据えて
それに私も燭台切さんの目を見て返す
『前にもお伝えした通り、全員手入れを終えるまで帰りません』
「はは、変わらないな、、、」
初めてここで出会った時と同じように悲しそうな笑顔を浮かべている
(前と同じだ。どうしてそんな顔をするのか私には分からない、、、)
「話さないといけないね。あの先には前の主が作った蔵があるんだ」
『蔵、ですか』
聞き返すと燭台切さんはまた後ろを向いて食器を洗いながら説明してくれた
「前の主は遊び部屋と言っていたね。
だけど、君が思う遊びとは少し違うかもね」
『、?どういうことですか?』
燭台切さんは、そのまま手を休めることなく食器を洗っている。
何か、皿洗いに集中している様に私との会話は気にせずに、淡々と説明をする
「主が遊ぶための部屋さ。遊び道具は僕達、
刀剣男士だよ」
『、、、』
聞いているうちに何か嫌な汗が背中を伝っていく。お腹辺りが急に重くなった
(もう、聞かなくても分かる、
でも、、、聞かなくてはいけない)
自分から聞いておいて、後悔していることが
何だが情けなくなってしまった
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作者名:とり丸 | 作成日時:2020年4月29日 22時