41.一言 ページ42
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こんのすけは持ってきた稲荷に目を輝かせている。
しかし、目の前に置いてもすぐには食べようとせず聞いてきた
「これは?」
『この前、爪紅買ってきてくれたでしょ?そのお礼に稲荷作ったんだ』
そう言うと恐る恐るというように1口、口に含んだ
その瞬間、パァァと効果音でも出そうなくらい喜んでくれた
私も稲荷に手をつける
『伝達から帰ってきた時も、少ししか休憩取れなかったのに出陣してくれてありがとね。1人じゃ記録出来なかったから助かったよ』
「い、いえ!そんな、」
食べながらこんのすけは照れている
(可愛いな、、、)
食べ進めているとこんのすけが先程とは変わり、静かに聞いてきた
「主様はわたくしをお褒め下さるのですね」
『、?そりゃ、こんのすけだって頑張ってくれてるし、初め来た時私の味方はこんのすけだけだったんだよ?ちょっと逃げ足は早いけど頼りにしてるし』
「一言多いですよ」
そう言っているもののこんのすけの目は
キラキラしている。雫が今にも落ちそうで、
それでも気にせず食べるこんのすけを見て、
稲荷を口に含もうとした箸が止まってしまった
何故こんのすけが泣いているのか、私に投げ掛けてきた言葉の意図も分からない。
だけど、こんのすけは前任の審神者からずっと重い何かを抱えていると、そう、感じ取った
(前に言っていたな。設立当初からいるって。そしたら全部見てきたんだ。こんのすけは。刀剣男士達もそうだけどこんのすけも辛かったんだろうな、、、)
『あまり溜め込むと疲れちゃうよ。私でよければお話聞くからね』
「はい、、、ありがとうございます」
『稲荷いっぱい作ったから、沢山食べて元気だして』
「少々形が不格好な物も有りますが美味しゅうございます」
『一言余計だよ』
少し元気を取り戻してくれたこんのすけを見て私も稲荷を口にした
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作者名:とり丸 | 作成日時:2020年4月29日 22時