3.案内 ページ4
『すごい広いね。本丸は』
「大勢の刀剣の方々がここで暮らしておりますから」
『何振りいるの?』
「60振り程でしょうか、」
多いな、、、その60振りのうちどれくらいが審神者が来ることを歓迎してるのか、、、この本丸の状況を見ると1振りもいない気がする。そもそも生きて帰してくれない可能性もある。
そんな事を考えていると
「あの先でございます」
『ありがとう、コン吉』
目と鼻の先に広間がある。
(さて、完全アウェイだけど行きますか)
そう思いながら、先にある広間へ向かう。
「あんたここに来た審神者?」
後ろから声が聞こえる。
振り返ってみると、赤茶の袴をきた子がいる。襟足を後ろで束ね、首に襟巻きを巻いている。目が赤く綺麗な顔立ちをしているけど、やはり彼も傷だらけ。爪は紅をさしているのではなく剥がされて皮膚が見えているから赤く見えていた。
『今日からこの本丸の審神者になります。よろしくお願い致します』
「よろしくじゃないでしょ。あんた殺されるよ?」
どこまでフラグが建つんだ私は。
『殺されないよう善処します。それより、』
私は彼の右手を掴み手入れを始める。初めは驚いたが手入れだと分かり、落ち着いてくれた。
「手入れなんてしてくれるんだ」
『当たり前でしょう。審神者なんですから』
そう言うと彼は驚いた顔をしていた。
何をそんなに驚くことがあるんだろう、、、
『?』
「あー、いや、手入れなんて久しぶりだったからさ」
『、、、、、、そうなんですか、言って下さればまた手入れしますので、、、そういえば、お名前聞いてませんでしたね』
「あ、俺の名前は加州清光。よろしく」
加州清光さんの手入れを終えそのまま広間へ入ろうとすると
「俺先はいるよ、後からついてきて」
と言われた。
(何故だろう、、、)
そう思ったが加州さんが襖を開けた瞬間、すぐに分かった。
開けた瞬間刀の切っ先が加州さんの首元に置かれている。
(なるほど、、、危なかったな、、、)
これは命拾いした、
「審神者かと思えば清光か!驚いたな!」
緊張感漂う空間に場違いな明るい声が聞こえる。この白と赤が混じった人は加州さんだと分かると刀を下ろす。後ろについていた私を見るなりこう切り出した。
「君が新しく来た審神者か!悪いが帰ってくれないか?」
またこのくだりか、、、。
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作者名:とり丸 | 作成日時:2020年4月29日 22時