23.出陣4 ページ24
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本丸に戻ってきた所で四振りに向き直り、
『手入れ部屋はまだ使えませんし私が治しますね』
と柏手を打つ。
中傷だった堀川さんも傷が治ったところで
『今日はありがとうございました。皆さんのおかげで遡行軍を殲滅出来たので。あとはゆっくり休んでください』
と頭を下げた。
加州「なら、俺疲れたし休んでくるね、
おつかれ」
堀川「僕も戻りますね、
ありがとうございました」
長谷「では、俺も失礼します」
陸奥「わしも休ませて貰おうかの」
4振りとも別れたところで深い傷を負っていた
彼に声をかける。
『陸奥守さん、お腹の傷は大丈夫なんですか』
「なんじゃ、気づいとったのか」
『担がれた時に自分のものでは無い血がつけばすぐに分かります。手入れをさせて頂きます』
そう言って重傷だった陸奥守さんに縁側に座ってもらい傷を確認する。
『痛みに疎くないですか?よく立っていられましたね』
「まあ、片腕しかなけりゃあ、
そうなるじゃろ」
と言われたのでそうなのかと何故か納得してしまう。
傷が消えたか確認をし刀を渡す。
『治りましたよ。それとあの時は助けて頂き
ありがとうございました』
陸奥守さんは少し口角を上げて
「お互い様じゃ」
と言って戻って行った。
ーーー
「主様、記録の整理が終わりました」
『ありがとう』
こんのすけから今回の出陣での戦況記録を貰う。
それを時系列事にまとめ筆で書いていく。
書き終えると文字は半紙から浮き出てくる。
それは空中で1箇所にまとまり、黒い蝶になった。
『行ってらっしゃい』
そう言うと蝶は2つ羽ばたくと消えた。
これは普段使っている蝶と同じように作っている。墨の中に自分の血液を少量入れると他の蝶と同様に私の力で動けるようになる。
効力が弱く、結界は張れない代わりに機密文書など誰かに見られてはいけない情報をいち早く届けることができ、返信もこの蝶が持ち帰ってきてくれる。
それと半紙の節約になるし、こんのすけが伝達が無い分楽になる、行き違いになることも無い。
『さて、報告も終わったし手入れ部屋掃除しないとな』
掃除の再開をしに手入れ部屋に行こうとし、
用事を思い出す。
『ついでにこれ届けないとな』
手に収まる細長い箱を持って離れを出た。
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作者名:とり丸 | 作成日時:2020年4月29日 22時