13.食事2 ページ14
すると燭台切さんの傷はすぐに治った。
元々切り傷が多かったが、綺麗に治ったお顔がとても直視出来ない。
『では、私はこれで、、、』
そう言い、炊事場を後にしようとすると
「ちょっと待って、ご飯それだけだよね?」
『、?ええ、やることが沢山ありますから、直ぐに済ませたいので』
「それだと倒れてしまうよ。すぐ作るから待ってて。」
すると、手早く食材を切り分け調理し温かいお雑煮を、そして持っていたじゃがいもと野菜を合わせサラダも作ってくださった。
(料理ができて顔がいいなんて高スペックだな、、、)
「どうぞ。見てたと思うけど、毒は入れてないよ。」
『あ、ありがとうございます』
雑煮を手に取り口に運ぶ。温かくてとてもおいしい
『美味しいです、、、』
光「それは良かった」
鶴「光坊俺にもくれるか!」
光「はい、鶴さんの分もあるよ」
『燭台切さんは料理がお好きなんですか?』
光「僕の元主が料理をする人でね、近くで見てきたから」
『そうなんですね』
光「でも、最近は作る機会も減ったね、君みたいに食べてくれる人が少なくなってしまって」
『、、、それは、、、』
『顕現された刀剣達は人と同じ体だ、空腹も痛みも人と同じように感じる』
そう聞いたことがある。違うところはその身体能力と手入れをしないと傷が直せないという所だろうか。
小さな傷でも長い月日が経てば衰弱していくだろう。
人も大怪我をすれば多少手当は必要だが自分の力で少しずつ傷は治っていく。
それが出来ない彼らは最終的には起き上がれないほど弱り本体となる刀は折れてしまう。
この本丸は手入れ部屋が機能していないのだから燭台切さんは1人また1人と見かける顔が減っていくことが辛かったんじゃないだろうか。
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作者名:とり丸 | 作成日時:2020年4月29日 22時