123 Side : M.I ページ30
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「!」
ソファに向き合って腰掛けてキスをしていたはずのAが、急に後ろに倒れた。
舌が絡むキスだったから、彼女が倒れた衝撃で唾液がほんの少し、つうっと顎まで滴る。
袖で軽く拭いつつ、Aに近付いて名前を呼んだが、全く応答がない。
それどころか、
「・・・・・・」
「・・・嘘だろ・・・」
気持ち良さそうに寝息を立てて眠り始めてしまった。
酔ってるAと最後までする気はなかったけど、流石にキスの途中で眠られると勝手に恥ずかしくなってくる。
起きそうもないAを抱き上げ、寝室まで運んだ。
「んー・・・」
ベッドに降ろした少しの衝撃で、Aがうっすらと目を開ける。
俺の腕を両手で力なく掴むと、ふにゃりと笑った。
「みゆさん、早く、いっしょにねよう?」
「っ、ん、寝るから、ちょっと待って」
「やぁだ、いま!」
「わかった、わかったから泣かないで」
泥酔するまで飲んでいないはずだが、恐らく眠気と酔気でこうなっているのだろう。
Aのグラスやら、点けっぱなしのリビングの電気やら、寝る前に色々しなければいけないことがたくさんあるのだが、手を離そうとしたらAが泣きだしそうになる。
「すぐ戻ってくるから、待てない?」
「んん・・・しょーがないから、まってあげます」
「ん、いい子」
鼻先にキスをしてあげたら、「えへへ」と笑った。
正直、今すぐ抱きしめて一緒に寝てしまいたいけど、寝る前の時間より、朝一緒にゆっくり目を覚ます時間の方が好きだから。
今は俺も少し我慢して、可愛い彼女のお世話を焼いてやろう。
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アヌ - すごく面白いです!続きがとても気になります。もう更新する予定はないのでしょうか?大変だとは思いますが、頑張ってください(^-^) (2023年2月18日 13時) (レス) @page38 id: dccb579fc6 (このIDを非表示/違反報告)
clarinetloveand(プロフ) - この作品が初めてできた時から今まで読み続けていました。更新とても楽しみにしております。 (2022年3月12日 22時) (レス) id: 0c834e660b (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。お願いします! (2020年7月18日 9時) (レス) id: f0acef49cf (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 悠さん» 悠様、コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが更新していきますので今後も引き続きお楽しみくださいませ。応援ありがとうございます、頑張ります(´˘`*) (2019年7月9日 23時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 面白くて1日で全部読んでしまいました!!今後の展開が気になって毎日ソワソワしてますw大変だとは思いますが頑張ってください!!! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7c7911550e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉兎 | 作成日時:2019年6月14日 23時