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「一応ここがAの部屋ね」
「一応?」
「箪笥とかの荷物置いたりとか勉強するときとかはここ、寝る時は俺と一緒でいいでしょ?」
「だからベッドは実家に置いたままでいいよ」と言って、運んで来てくれた私の荷物を床に置いた。
机や箪笥などは引っ越しの業者の方に頼むので、今日はまだほとんど何も無い状態だ。
「で、今日は宅飲みの予定だったけど。俺の家でいいの?」
「入野さんはそれでいいんですか?」
「俺は全然いいけどさ、ほら、色々心配ならお母さんいるし実家の方がいいかなって」
「まあきっと入野さんなら大丈夫でしょう!」
「だといいね」
今日運んで来たのは家具以外ほぼ全て。
幸い断捨離出来ないタイプじゃないから、服もそんなに大量じゃなかった。
アルバムやグッズの大半は実家に置いておくことにして、そんなに遠いわけでもないし必要なものがあば取りに行くという感じだ。
それから何往復かして車から荷物を全て運び終わり。
二人で新しいリビングに置かれたいつものソファに座って一段落。
「手伝って頂いてありがとうございました」
「いいよ、エレベーターだからそんな苦でもないし。この後はどうする?」
「この後?」
「どっか行きたいとこないの?」
「あー・・・」
何も考えていなかった。
そういえば、元々も今日は私の誕生日を祝って私のしたいことをしようなんて言われていた日だ。
誕生日としてだけど、特別な日ではあるけれど。
私としてはいつも通り過ごしたい。
つまり、なんというか、
「お酒買いに行って、家でゆっくりしましょう」
「いいね、そうしようか」
特別な日だからこそ、入野さんの隣で過ごしたくて。
きっと言わなくても伝わってしまっているから、敢えて何も言わないことにした。
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アヌ - すごく面白いです!続きがとても気になります。もう更新する予定はないのでしょうか?大変だとは思いますが、頑張ってください(^-^) (2023年2月18日 13時) (レス) @page38 id: dccb579fc6 (このIDを非表示/違反報告)
clarinetloveand(プロフ) - この作品が初めてできた時から今まで読み続けていました。更新とても楽しみにしております。 (2022年3月12日 22時) (レス) id: 0c834e660b (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。お願いします! (2020年7月18日 9時) (レス) id: f0acef49cf (このIDを非表示/違反報告)
莉兎(プロフ) - 悠さん» 悠様、コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが更新していきますので今後も引き続きお楽しみくださいませ。応援ありがとうございます、頑張ります(´˘`*) (2019年7月9日 23時) (レス) id: ba3d0050a9 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 面白くて1日で全部読んでしまいました!!今後の展開が気になって毎日ソワソワしてますw大変だとは思いますが頑張ってください!!! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7c7911550e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉兎 | 作成日時:2019年6月14日 23時