【Kiramune】たった1人のシンデレラ�供敍�野自由】

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「っ、いりの、さん・・・くすぐったぃ、」

「わかっててやってんだけど・・・」


いつかのように私の上に馬乗りになった入野さん、その唇が首筋から耳にかけてを往復している。

擽ったくて身を捩って、脚を閉じようとすると、入野さんの脚が入り込んだ。


次第に息が荒くなってゆく私を見て、満足そうに笑う。

そして、


「っ、いった・・・」

「んー・・・」


うわ、うわ。
痕、付けられてる。

初めてじゃないけど、久し振りに触れ合ってこうされるのは耐え難いほど恥ずかしくて。でも嬉しい。

入野さんを抱きしめたいのに、押さえられた両手首。
声を出すしか出来なくて、もどかしくて、でもどうしようもなく幸せで。


「いりのさん、すき、」

「・・・うるさい・・・」

「っひぁ、！」


痕を残された首筋を、大事そうに、丁寧に舐められて、自分のものとは考えられないような甘い声が漏れ出た。

絶対顔も耳も赤いのに隠せなくて、精一杯入野さんから目を逸らす。


「・・・そんな可愛い声出せるんだ」

「・・・出させたのは入野さんです・・・」

「襲われてるのに好きなんて言うからでしょ」


飽くまで自分は悪くないと。入野さんらしい。

だって好きなんだからしょうがない。


「・・・もうっ、離してください！寝ないと明日起きられませんよ？」

「はいはい、最初に夜這いしてきたのはAのくせに、ちょっと喜んでたくせに」


何を言っても無駄だと思ったので言い返すのはやめた。
代わりに、横に寝転んで無防備になった入野さんの目を盗んで、私も彼の首筋にキスをした。


「っ、A、なにして」

「・・・求めてるのは、入野さんだけじゃないんですからね」

「！」


仕事があるからって痕はつけなかったこと、感謝してほしいものだ。


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