徹夜 ページ4
＜『イゾー？』＞
コン...コン
「Aじゃないか、どうした？」
弱いノックオンがして、途中だった裁縫を止めてドアを開けた。
視線を下げると、ぴょこぴょことアホ毛が揺れている人物＿＿Aを見つけた。
『......だっこ』
何か知らせに来たのかと思ったが、そうでもないようだ。
突然の抱っこの要求を受けながらも、頭はハテナだらけである。
よっこいしょと抱き上げると、Aの手にはクーさんも居て、ああ。と納得した。
「そうか、今日は俺だったねえ。もう歯は磨いたのかい？」
『んー......』
「あっはっは、それじゃ、ベットにいこうかねえ」
Aには自室というものがない。まあ、この歳だ。なくてもいい。
一日交替で各隊長の部屋で寝てもらっている。今日は俺の番だったってわけだ。
1番隊、2番隊を飛ばして3番隊、4番隊......16番隊の俺の次は親父の部屋で。
そしてまた1番隊へ戻る。
もう瞼は半分の半分まで閉じてしまっているAを自分のベットに入れ
俺も横に入り、かけた布団の上から一定のリズムで優しくたたいた。
寝かしつけたら、また再開だ。明日には次の島につくらしい。
Aもそこで降りるらしく、その時のために、俺は電伝虫をセットした鞄を作っている。
『うー......』
「……これじゃぁ、再開は無理だな」
数十分もしないうちに眠りについたAが寝返りを打ち、俺に抱き着いてきた。
ぎゅううと握りしめている手は俺よりも小さい。
うつらうつらと自分も眠りに入りそうになった時、もぞもぞとAが動き
その手は自身から離れた。少しの寂しさを感じ、
自分からAに抱き着き、一緒に寝ようとも思ったが、
何とか目を見開いて頭を目覚めさせる。
ぷにぷにと幼児特融のほっぺをつついた。
……やわらかい。
目の端に見える映像電伝虫入りのリュックは
明日、Aの初めてのお使いでムービーを撮るためだ。
着物を作ったりする俺だ。任せられたのは必然のようなもので。
「もうちょっとだ……ふあぁあ〜〜、ねみぃ」
大きい欠伸を一つしてまた机に向かい
リュックづくりに集中した。
初めてのお使い……ねえ。こりゃあ明日は誰も船から出ないな。
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椿姫 - 選択のところで隊長12人になっていますが、16人ではないでしょうか。楽しく見させてもらってます！ (2020年3月11日 15時) (
レス) id: d5fa7d04a9 (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2019年1月12日 10時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
おらんうーたん@妄想族(プロフ) - 「海」の後半が名前変更が上手くされていない気がするのですが？ (2018年7月21日 20時) (レス) id: 00ba4385d4 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - 更新頑張ってください!!!! 楽しみにしてます (2018年7月14日 18時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 面白いです!! 更新頑張ってください! (2018年6月24日 17時) (レス) id: 2cba6cf68d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦戸。 | 作成日時：2018年6月17日 22時
