小さな隊長 ページ2
今日は週に一回の隊長会議だ。
一番隊隊長の俺は、親父と共に会議室に向かう。
会議室の前まで来ると、どこからか騒がしい物音と声が聞こえてきた。
まあそれが何処からか。何てことは、既に解っている。
会議室のドアノブを回すと目に入ってきたのは
きゃっきゃとフランスパンを頭にのせる男から逃げているA。と追いかける4番隊隊長。
仮にも隊長のコイツは、いったい何やってんだよい……。
『あっ、マルコー！』
「サッチ、さっさと座れやい。Aも椅子に座るよい」
気づいた俺に飛びついてくるもんだから、怒ろうにも怒れない。
それを見ていた親父が、グラララと笑った。
ところで、疑問に思っただろう。今から隊長会議をするというのに
なぜAがこの場に居るのか……。
まあ、答えは簡単だ。Aも隊長である……それも特別な。
「これから、隊長会議を始めるよい。まず16番隊から順に報告を＿＿
＿＿一番隊からは以上だよい。次280番隊……報告」
『はい！280ばんたい、たいちょーのAです！ほうこくはー…
さいきん、ねずみのかずがへりました！あと、10ばんたいのサイがなんかへん？いじょーです』
この会議に、Aの報告は必要ないと思うだろう。
だが実際、そうでもない。逆に必要ともいえる。なぜなら、大人の視野は広いが
子供は狭い。だからこそ、俺たちが気づかないところを簡単に気づいてしまう子供の視点は俺たちにとって必要なのだ。
そしてもう一つ。まあ、これはただ単に俺たちの癒しが、そこにあってほしいだけだけである。
「10番隊のサイ？クリエルのところじゃないか、A、何が変だった？」
『よる、サイのおへやからねー、へんなこえしたの！』
「変な声？……あー、ちなみにどんな声だしてたか、わかるか？」
『“ぅう！！”っていってた、そしたらサイ、おくちからあかいものだした。みず？かなー……』
イゾウの質問に淡々と答えるAだが、俺ら大人たちの顔は険しくなった。
「親父……」
「ああ、確かアイツァ病気持ちだったはずだ」
「隠してるんだろうねい……ったく、家族に隠し事だなんて10年早いねい」
「ありがとうA、Aが気づいてなければ危なかったかもしれないな」
『サイ、びょーき？……しぬ？』
「っ……死なないよ、Aのおかげでね」
『えへへー』
280番隊のAの報告の後、親父がまとめて隊長会議は終わった。
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椿姫 - 選択のところで隊長12人になっていますが、16人ではないでしょうか。楽しく見させてもらってます！ (2020年3月11日 15時) (
レス) id: d5fa7d04a9 (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2019年1月12日 10時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
おらんうーたん@妄想族(プロフ) - 「海」の後半が名前変更が上手くされていない気がするのですが？ (2018年7月21日 20時) (レス) id: 00ba4385d4 (このIDを非表示/違反報告)
動物大好き - 更新頑張ってください!!!! 楽しみにしてます (2018年7月14日 18時) (レス) id: c75e63e926 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 面白いです!! 更新頑張ってください! (2018年6月24日 17時) (レス) id: 2cba6cf68d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦戸。 | 作成日時：2018年6月17日 22時
