隣の部屋のバレー選手【宮侑】

にじゅーいち ページ21

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日向翔陽side




日｢未亡人･･･すか。その事、侑さんは？｣


『もちろん知ってますよ。』


日｢そうなんですか･･･｣


遥｢しょーにいちゃんも、バレーのひと？｣




クリクリの大きな目をして聞かれる。




日｢おう！侑さんと一緒のチームだぜ！｣


遥｢はぁぁぁぁ！すごいっ！かっこいいっ！｣


日｢だろだろ！かっこいいだろ遥輝〜｣




ガシガシと頭を撫でるとキャッキャと笑う遥輝


こりゃ、侑さんが遥輝に惚れるのも、Aさんに惚れるのもわかるよ〜。




遥｢みゃーさんと、しょーにいちゃんのバレーみてみたいなぁ。｣


『そうだね〜！いつか行こうね。』




ブラックジャッカルは、1週間後にシュヴァイデンアドラーズとの公式戦がある。




日｢Aさん！見に来てください！ぜひ！来週の水曜日！！｣


『えっ？どういうこと？』


日｢遥輝、今何歳？｣


遥｢よんさいっ！｣




小さい手で4を作る遥輝。




日｢俺、チケット1枚持ってて、誰にあげるか迷ってたんですけど、Aさん、要りませんか？｣


『えっ、でも1枚って･･･』


日｢未就学児なら、膝上観戦無料なんです！｣


『ほんとに？はる、行きたい？』


遥｢バレー、みれるの？｣


『そうだよ！』


日｢これ、チケットです！｣




財布のお札入れの部分から取り出したチケット。




『ありがとう日向くん･･･なんとお礼をすればいいのか･･･。』


日｢いやいや、大丈夫ですよ！！｣




嬉しそうにチケットを抱いて跳ねる遥輝とそれを見て微笑むAさん。


もう、侑さん。どうして起きて来ないんですか？


今、ふたりともいい顔してるのに･･･笑




日｢お邪魔しました〜！侑さんのこと、よろしくお願いします！｣


『あ、待って日向くん！一応連絡先聞いといてもいいですか？これから先もこんな事があるかもしれないから･･･。』


日｢もちろんっす！LINEでいいですか？｣


『うん！フルフルでいい？』




新たな友達に 藍沢A の文字




日｢あざっす！では、試合会場でお待ちしております｣


遥｢しょーにいちゃん！がんばれ！｣


日｢遥輝！もちろんだ！がんばるぞ！｣




別れを告げて、電車に揺られて帰った。




Aさんと遥輝がいたあの空間は、幸せな感情で溢れていて、俺まで幸せになった。




バシッと両手でほっぺたを叩いた。




｢勝つしかなくない？待ってろ影山！！｣




明日からもっと練習頑張らないと。

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