38 ページ39
まさに真夏日、体育祭日和。
晴れて良かったねー、なんて会話があちらこちらから聞こえるけど、あたしは日焼けなんて勘弁だ。
準備やら何から何まで大変で夏休みも実行委員の集まりのせいでほぼ潰れたも同然だけど、実行委員のあたしは放送係になったため、放送席のあるテント下が今日の拠点となる。日焼けの心配なしということで、始めて実行委員になったことに感謝した。
……まあ治くんと仲良くなれたのも、好きになれたのも、実行委員のお陰だし。実は恵まれてるのでは？あたし。
「ねえ、次の100m走の放送どっちがやる？」
同じ放送係になった、隣に座る角名くんにそう聞かれる。まじ角名くん男のくせに肌真っ白じゃん。少し日焼けした方がいいんじゃないのかい。
「え、あたし嫌だよ。角名くんやりなよ。てかやれ」
「俺も嫌だから。てか俺放送係になったの好きな音楽流したかったからだし、俺の声で放送なんかしたくないんだけど」
「いやあたしも全く同じ理由だわ。ほら、角名くんのファン地味にいるじゃん。角名くんの声聞きたい子の方が多いようん」
「地味にって酷くね？そんなこと言ったら、治も橘さんの声聞きたいんじゃないの」
「お、治くんがあたしの声聞きたいわけないやろ！アホか！」
「治の名前出すと動揺して関西弁話すのやめてくんない？」
「うるせえチベットスナギツネ…」
そんなこんなで始まってしまった100m走。「俺飲み物買ってこよ」とわざとタイミングを図って逃げた角名くんをあたしは一生恨むだろう。
結局あたしが放送することになり、あたしの心のこもっていない棒読みの声が響き渡ったのである。
「Aちゃんの放送へったくそで笑ったわ」
通りすがりの侑くんにそう言われて一発蹴りを入れておいた。全く痛そうにしない素振りにますます腹立つ。
「隣のスナギツネが逃げたからね」
「逃げたんじゃなくて譲ってあげたんだよ」
「ハア！？あれはどう見ても逃げたね！弱虫！」
「フッフ！仲良しさんやな。サムが嫉妬するで」
「てかまだ付き合ってないんだ、治と橘さん」
「からかうのやめて！！！それより次の借り物競争の放送は角名くんに任せたから！」
「え、無理。俺借り物競争出るし」
「まじでしんで」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1809人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
治 - ↓ツム…、、ありがとな (11月8日 19時) (
レス) @page47 id: 804a1b86af (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - めちゃくちゃいい作品に出会ってしまいました、、サム、、永遠に食と夢主と幸せでおってくれ、、、！！！ (2023年2月18日 17時) (レス) @page47 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ………………可愛ええなぁ……この2人…………欲しいわ←お巡りさんこいつです (2021年9月12日 6時) (レス) id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
どろっぷ - すごくおもしろかったです。治、かわいい… (2020年10月19日 16時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ味のブドウ - めっちゃ面白いかったです！！！ニヤニヤしちゃいましたw 完結おめでとうございます！今日読みましたがw 大好きですｯｯｯｯｯ (2020年10月11日 20時) (レス) id: 8dfd0cadf9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴーち | 作成日時：2020年7月5日 15時
