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侑くんにタオルを渡され、半ば強引に背中を押される。「ツム！はよせえや！！」治くんの急かす声が聞こえてきて、思わず侑くんを振り返った。
「なんであたしが行かないといけないの！？嫌がらせかなにか！？」
「俺よりAちゃんが行った方が喜ぶって！」
「は？何を根拠に言ってんの？マジできもいよ？」
「んー言葉に棘あんなあ！ほな、はよ行き…」
「ツム、女連れてきとんのか？」
侑くんと小声でギャーギャー言い合ってたら、痺れを切らしたのかびしょ濡れの治くんが入ってきた。突然目の前に、雨に濡れて色気の増した治くんが飛び込んできて、思わず目を逸らす。シャ、シャツが濡れて透けてるんだよ…！目のやり場に困るわ！
「……え？Aちゃん？」
治くんはあたしに気付くと、さっきまでの鋭い声からきょとんと驚きの声に変わった。恐る恐る目を合わせれば、心底驚いた顔をしている治くんが。だけど、途端に目を細めて不機嫌そうな顔を浮かべる。
治くんは何故かあたしの背後にいる侑くんを睨んでいた。
「Aちゃんに触んな」
あたしの背中を押していた侑くんの手を払い除けた治くんが、ぐいっとあたしの肩を引き寄せた。治くんに後ろから抱き締められるような形になり、ドキッと胸が激しく鳴り始める。侑くんはそれはそれは愉快そうに笑っていた。
「男の嫉妬は見苦しいで？」
「うっさいわポンコツ。なんでAちゃんが家におんねん」
「ご飯作ってもらおと思てな。一緒に料理したんや！ええやろ〜」
「……マジでお前嫌いやわ」
理由は分からないが機嫌を損ねた治くん。あたしが来たの、やっぱり迷惑だったんじゃん…
盛り付けて早く帰ろうと、治くんから離れようとしたらますますきつく抱き締められた。そして、あたしの耳元に顔を近付ける。
「Aちゃん、ただいま」
おそらくあたしにしか聞こえないくらい、小さな声で、そう囁いた治くんにあたしの心臓は無事しにました。
た、ただいまって……新婚かよ！！あたし達まだ学生だよ！？(付き合ってもないよ！？)
パニックで何も返せないあたしに、治くんの拗ねた声が続く。
「おかえりって、言うてくれへんの？」
はい。もうあたしはこれ以上早く心臓を動かすことはできないようです。一周回って落ち着きを取り戻しました。
「お、おかえり、治くん」
「んー、ええなあ。新婚みたいやな」
さすがに口に出すのは禁止じゃない！？！？
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治 - ↓ツム…、、ありがとな (11月8日 19時) (
レス) @page47 id: 804a1b86af (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - めちゃくちゃいい作品に出会ってしまいました、、サム、、永遠に食と夢主と幸せでおってくれ、、、！！！ (2023年2月18日 17時) (レス) @page47 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ………………可愛ええなぁ……この2人…………欲しいわ←お巡りさんこいつです (2021年9月12日 6時) (レス) id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
どろっぷ - すごくおもしろかったです。治、かわいい… (2020年10月19日 16時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ味のブドウ - めっちゃ面白いかったです！！！ニヤニヤしちゃいましたw 完結おめでとうございます！今日読みましたがw 大好きですｯｯｯｯｯ (2020年10月11日 20時) (レス) id: 8dfd0cadf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーち | 作成日時：2020年7月5日 15時
