絶対的アンサー【宮治】

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1回目の集まりでは2ヶ月後に控えた体育祭の概要や顔合わせという名の軽い自己紹介をして終わった。


そして、これから部活に向かうという侑くんは、何故かあたしの隣に並んで歩いている。


……後ろには、治くんと角名くんもセットで。



「……あの〜、早く体育館向かった方がいいのでは？」

「せっかくAちゃんと仲良くなれるチャンスやもん、途中まで一緒に行こうや」

「嫌です」

「橘さんだっけ？侑のこと好きじゃないの？」



うん、角名くんはとりあえずスマホしまおうか？一応あたし達今日が初喋りでしょ？



「全く。あたしはね、普通の女の子と違うの。女の子が全員この男のこと好きだと思ったら大間違いだからね」

「Aちゃん酷ない！？」

「何この子おもしろ」



RINE交換しよとスマホを差し出されトントン拍子で角名くんと交換した。無気力そうに見えたけど案外コミュ力あるんだなあ。


ていうかそういえば、昨日の放課後、友達が北先輩とか角名くんとか〜って話題に出てきてたっけ。この人のことだったのか。言われてみればまあかっこいいけど、タイプではないな。


……ずっと黙ってる治くんの方が気になるけど、あたしは。



「Aちゃんはサムのことが好きなんやろ？」



あたしよりもうんと背の高い侑くんが、腰を折ってあたしの耳元で突然そう囁いた。


低く掠れた侑くんの声にドキッとしたのは一瞬で、言われた言葉に思わず叫んでしまった。

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