絶対的アンサー【宮治】

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「Aちゃん！俺、約束通りツムに勝ったで！やから俺の言うこと１つ、聞いてくれへん？」



リレーで侑くんを追い越し１位でゴールテープを切った治くんがなんと全校生徒の前で、名指しで、突然マイク越しにそう言った。


A？誰？と周りから聞こえるひそひそ話と、クラスメイトからの好奇な目。


お、治くん〜！？よりによってどうしてこのタイミングで言うのかな！？体育祭終わってからでもいいじゃん！こんな全校生徒の前でもう俺と関わらんといてくれ宣言されたら明日から学校休むからね！？



今すぐ逃げ出したいあたしはそ〜っと抜け出そうとしたがもう遅い。真っ直ぐあたしを見つめる治くんはそのままあたしの目の前までくると、あたしの手をきゅっと握った。周りのクラスメイトからは冷やかしの声が聞こえ、見知らぬ生徒の悲鳴も聞こえる。


Aちゃん、と甘く笑った治くんは言った。



「俺、Aちゃんのこと大好きやねん。これからも一緒に美味いもん食べて、俺の隣で笑っとってほしい。俺と、付き合ってくれませんか？」



「…………え？」



今、あたしの聞き間違いでなければ……あたし、治くんに告白された？



周りの歓声も悲鳴も、何も聞こえない。目の前で笑う治くんの瞳に熱が籠っていること、あたしはどうして今まで気づかなかったのだろう。



治くんの表情が、言葉が、あたしを好きだと確かに言っている。その事実を知った今、あたしは恥ずかしさで今すぐこの場から去りたくなった。



でも…治くんが言葉にして伝えてくれたのに、ここで逃げるのは失礼だ。



それに、あたしだって……



あたしだって、治くんのことが好きだから。



「……あたしも！あたしも、治くんのこと、めっちゃ大好き！！！」

「おん、知っとるで」

「知ってるか！……は？知ってるって何が！？」

「Aちゃんが俺のこと好きなこと。なんやギクシャクした時あったやん、そのあたりから気付いとったで」




ギクシャク……みっちゃん事件のことだ！！！



え、つまり治くんは、あたしが治くんのこと好きだと知ってて告白してきたの？つまり、



「フラれるつもりなかったんかい！」

「当たり前やん。ほな、今日からAちゃんは俺の彼女や！みんな手ぇ出すんやないで！」



よ！サムよう言った！とどこかから侑くん声が聞こえる。うるせえ金髪からかうな。

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