続き ページ4
「かしこまりました。じゃ、コーヒー持ってくるから待っててな。ゾムさん？」
「キャラメルコーヒーやろ？」
「そうです。お願いしま〜す」
厨房らしき場所から茶髪で前髪が長めの印象の店員さんが出てきた。彼は口頭で注文を受け取るなりまた厨房へと消えていった。
「さて！じゃあ、恋愛相談始めるか！」
『え？あ、はい』
突然始まったから驚いた。ここの店員さんはとても気さくで面白いと思った。どかりと正面の椅子に座る店員。向かい合う形となり少し緊張する。
「俺は鬱大先生。みんなには鬱とか大先生って呼ばれてるわ。よろしく」
『よろしくお願いします』
「ええよええよ。別にかしこまらんでも。もっと肩の力抜いてさ」
『は、はい。けど、珍しいというかなんで恋愛相談なんてやってるんですか』
「あ、気になる？そりゃあ、店に来る女性の恋話してて俺も近くで聞きたいな〜って思ってん。んでな、ある日、相談されて相談に乗ったのが始まりやったかな〜。それが、常連さんに広がってって、なんならもう自分からやっちゃおって思って。それで、今に至るな。相談は俺が出てる日しかやっとらんけどな」
Aはそうなんですかと相槌を打った。私より年上でしかも男の人に相談するとは結構度胸がいるけれどこの人なら面白おかしく話を聞いてくれると思った。
「せや、君名前なんて言うん？あと、高校生やね？どこ高？」
そういえば自己紹介がまだだった。名前だけでも教えようと思い口を開いた。
『Aです。高校は…』
「お待たせしました。ご注文されてたキャラメルコーヒーです」
自己紹介に割り込むような形で頼んでいた品物が運ばれてきた。持ってきてくれたのは先ほどの厨房に消えた茶髪の男だ。そして、手に持ってたお盆で大先生の頭を小突いた。
「大先生、高校まで聞くのはやめとき」
「あ、はい。スイマセン」
茶髪の男に注意されしゅんとする大先生を見て、くすりと笑みがこぼれた。
「ちなみに俺はゾム。よろしゅうな。
大先生、俺裏で仕事あるから客来たら教えて」
「了解〜」
と言って、ゾムは奥の方へ消えていった。
早速、Aはキャラメルコーヒーを飲んだ。甘すぎずくどすぎないキャラメルソースとフォームミルクがよく合っていてとても美味しい。とろけるような美味しいキャラメルコーヒーに頬が緩んだ。
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作者名：雪だるま | 作成日時：2019年10月23日 21時
