【d!】我々カフェテリアにようこそ【短編集】 (ページ27)

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続きページ27

「当店自慢のサンルーム席です。今はチューリップが見頃です」
『わぁ、綺麗。室内でも育てられるんですね』

案内された場所は個室の様な場所で花瓶に色とりどりのチューリップが植えられていた。窓から日が差していて落ち着く場所だ。
チーノはチューリップを真剣に眺める彼女を見て、育ててるんの俺じゃなくてトントンなんやねんけどなと思いつつ、サービスで珈琲を用意した。

「どうぞ、お座りください」

花を眺めていた彼女に声をかけて席に座らせる。このサンルームは１つのテーブルと２つの椅子しか用意されていない。特別な特等席なのである。まぁ、常連客に使わせたりするため、たまにしか使わない。今回は気まぐれだ。

「気分転換に占いでもしない？」
『占いですか？』
「そう、占い。簡単だよ。生まれた年と誕生日だけ教えてくれればできるんだ。やってみない？」

もともと、占いに関してはあまり信用しないが折角なのでやってみる事にした。
チーノが行う占いはとても簡易的なもので、誰でもできる占いである。ただ生まれた年と誕生日だけ分かればできる。そして、10の星人に分かれその人の性格や欠点、ラッキーアイテムや相性の良い星人などがわかるものである。
結果は

「君は山星人だね。包容力があって人に好かれやすいタイプだ」

チーノはタロットカードをユキに見せつけた。そのタロットカードには山をモチーフにした神秘的な絵が描かれていた。
山と言われてAはぽかんとした。折角ならもっと可愛らしい物とかが良かったなと思った。

「あれ、あんまり嬉しくないのかな？」
『あ、いえ。そんな事ないですよ！？』

うっかり気持ちが顔に出てたかもしれない。慌てて否定した。チーノは続けて山星人について説明を始めた。

「さっきもそうだったけど、君は友達のペースに合わせてたよね？」
『え、あえっと』
「ごめんね、急にびっくりしたよね。山星人は無理して相手に合わせたり、周りの事を気にしちゃう傾向にあるから。それで、自分の事を厳かにする事が多いんだ」

自分の性格を的確に言い当てられてAはびっくりした。確かに、周りのペースに自分は合わせがちで人の顔色を伺う事が多い。
チーノはにこにこと微笑んだ。

「大丈夫。山星人は10種の星人の中で1番堅実な星人だから、足を踏み間違えたりしないよ。自分に自信を持って」

優しい声色で励まされてAは嬉しかった。