8話 ページ8
一方、Aは二階に上がり、手すりに寄り掛かって流れ行く人を見ていた。皆笑っていて羨ましいと思った。私は彼等と何の違いのあるのか考えさせられる。悪い癖だと思っていると。くぅとお腹が鳴った。そういえば、夜ご飯を何も食べていなかったと思い出した。何か食べに行こうと一階のディナーの場所に行くため階段を降りる。その時、最後の一段を踏み外してしまい、左足を捻ってしまった。
『つっ』
思わず声が出てしまった。かろうじて手すりを掴んでいたため盛大に転ぶ事はなかった。しかし、足が酷く痛く立っているのがやっと。これでは、多分歩けないだろう。
ゾ「悪いA」
後ろから隊長の声がしたため、Aは反射的に振り返る。
『隊長？あの方たちは？』
ゾ「あんな奴ら振り払ってきたわ。んで、どしたん。具合悪いんか？」
『あ、いや。なんでもないです。ちょっと、ヒールに慣れてなくて…』
と言って、やせ我慢する。手すりから手を離し歩こうとするが左足に激痛が走り、崩れ落ちそうになった。しかし、瞬時にゾムが支えてくれた。
ゾ「っ！！大丈夫か！？」
『……すみません』
ゾ「やっぱり、階段で足やったんやろ」
『………』
ゾ「ちょっと失礼するで？」
すると、ゾムはAを軽々とお姫様抱っこした。周りからの目が痛い。
『ゾムさん！？いいです！！歩けますから！！』
ゾ「そうやって、人を頼らないのAの悪い癖やで。たまには俺を頼ってぇや」
図星だったAは何も言えなかった。彼と密着するのは初めてでなんだか胸がドキドキする。しかも、顔も熱い。激しい運動をした訳ではないのにどうしてだろうか。
ゾ「まあ、もともとこうなったのは俺がちゃんとエスコートせんかったからや。すまん」
『いえ……』
ゾムはAを軽々と持って、人のいないバルコニーに向かう。そこには、テーブルと2人分の椅子が置いてあった。ゾムはAを椅子に座らせると手当てをするから足を見せてと言った。Aは靴を脱ぎスカートをあげると捻ったところは赤く腫れてしまっていた。多分捻挫だろう。
ゾ「うっわ、盛大にやったな」
ゾムの手がAの足に触れる。ゴツゴツした大きな手に触れられてAはくすぐったかった。ゾムは手際よく大きめな緑色のハンカチを取り出し関節を固定するように上手く巻いた。
『ありがとうございます。お上手ですね』
ゾ「ヒヒッ、そうか？せや、お腹すいたやろ俺がなんか取ってくるから待っとってな」
『はい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪だるま(プロフ) - 傘お化けさん» コメントありがとうございます！ゾムさんは推しますよもうしんどい。続編、新作を待っていただける読者さんの声を聞けて大変嬉しい限りです。長い間待たせるかもしれませんが新しい作品が作れるよう努めてまいります。最後までお付き合いありがとうございました！！ (2018年7月19日 23時) (
レス) id: a79d36039b (このIDを非表示/違反報告)
傘お化け(プロフ) - コメント失礼します！私もゾムニキ最推しでゾムのお話ばっかり書いています。完結、おめでとうございます！続編が出たら読ませていただきます！もちろん、新作の場合も読みます！これからも頑張ってください (2018年7月19日 23時) (レス) id: 4b6ec1c8eb (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま(プロフ) - ぺんぺけさん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて大変励みになります！毎日投稿頑張るんで楽しみにしててください。 (2018年7月3日 11時) (レス) id: a79d36039b (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺけ - コメント失礼します。夢主さんとzｍさんの関係いいですね！好きです、これからも頑張ってください！ (2018年6月30日 12時) (レス) id: 84b17b0d54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪だるま | 作成日時：2018年6月24日 1時
