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『治ってこういうこと誰にでもするの?』
「せぇへんわ………って、疑っとるな?その目」
『あっバレた』
「抱きしめたいのもちゅーしたいのも、こぉやって眠さより話したいって思うんも好きになった子だけや」
……待ってよ、それじゃまるで治が私の事、
でもさ、
『胸触ろうとすんのやめて』
「…くそ、だめか」
おい、舌打ち聞こえてるからな。
ほんっと力強すぎん?両手で治の片手で抑えてるのに
そろそろ腕プルプルしてきて限界なんだけど。
『ちょっと、顔寄せてこないで』
良かった。治のさっきの告白紛いの言葉、真に受ける所だった
本心じゃないんだろうな。思春期男子こわ…
「ちゅーしたなってもうた」
『しません』
「一回ちゅってするだけやから」
『そんなの信じられるかって』
「おねがい」
『いやです』
おでことおでこをコツンと合わせて上目遣いしてくるあたり本当に策士。
私をその気にさせてどうするつもりだよ
『…本当に私の事好きなら、しないで』
「ぐっ」
さぁどうする宮治。
さっきのが本心じゃないのは分かってる。一時の感情なんでしょう
…ねぇ
なんでしないの。
眉間に皺寄せてなにぐぬぬってしてんの
何我慢してんの。
「わかった。せぇへん」
『え、』
治はAの頭を包み込むように抱きしめた。
あったかい。治の心臓の音が心地いい。
あぁ…なんだかこのまま眠れそう___
・
・
『……』
「…A?寝た?」
うわ…寝よった。
自分を襲おうとしとった奴の腕ん中で寝よったこいつ。
無防備すぎるやろ。食うてくれ言うてるようなもんやんか
俺信用されとるんか?いや、ないなそれは…セクハラ紛いの事してもうたし
男として見られてへんのやろな。
「A、」
俺な、ほんまにな、お前ん事、
「好きやねん。めっちゃ好き」
1年ん時から可愛ええなって思ててん。
2年で同じクラスんなれて席近なって話すようになって
めちゃめちゃ嬉しかったんや
そらこないな所に一緒に丸一日閉じ込められてしもたら
抑えるもんも抑えられへんくなるやんか
「A、好き、大好き」
真剣に言うたらフラれてまうかもしれんって思うと
怖くてどうしても誤魔化してしまうんや。
なぁ、A、
「…気づいてや、俺の気持ち」
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作者名:rae | 作成日時:2021年8月1日 22時