○○しないと出られない部屋っていうのがあるらしいんですが。【宮侑・宮治】【稲荷崎】 (ページ43)

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｢…って事があったのよ、パパ。
うちの娘モテるみたい｣

その日の夜。

仕事から帰ってきた父親に
お母さんが三者面談の後の話をしている。

｢そりゃうちの娘だからな。
で、その双子くんってのはどんな子なの？｣

｢それがぁ！とってもイケメンなのよ！！｣

『…中身もイケメンだよ』

ってか私が選ぶなんて贅沢すぎるくらい男前だよ…

｢お父さんも顔見てみたいなぁ｣

…顔、か。

『…あ。ちょっと待ってて』

前に宮ツインズ特集が組まれた時の月バリを双子直々に貰った(押し付けられた)からまだ部屋にあったはず。

『あぁ、あった。これだ』

自室からリビングへと戻り、宮ンズのページをお父さんに見せた。

『…お父さん、この2人』

出来たら端に写ってる角名くんも見てほしいし
主将インタビューも読んで欲しいですお父さん。

｢え、宮ツインズってあの宮ツインズ？｣

『うん。知ってるの？』

｢同僚の娘さんが進学校に通ってるんだけど、ファンらしくてね。
うちの娘が稲荷崎の2年生だって言ったら
宮ツインズと同級生じゃないかーって言ってたぞ｣

『…そうなんだ』

｢結構積極的に声かけたりしてるらしいぞ｣

『……ちなみにどっちって言ってたの？』

｢えーっと確か髪色が＿＿＿｣

『…へぇ。』

こっち、と指さされた“彼”

｢…あらっ、ヤキモチ妬いちゃった？｣

お母さん、お見通しだね…

取られたくない、なんて思っちゃったじゃん。

薄々感じていた気持ちが固まった気がした。

『…うん、そうだね。』

ちゃんと、伝えなきゃ。

近い未来、その“彼”と結ばれて

数年後、彼の妻になっている事なんて

この時の私はまだ知らない。

＿＿＿Fin