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私はね、男バレの主将さんである北さんが大好きなんですよ。
なんで知り合ったのかはよく覚えてないけど
時々学校ですれ違ったりすると手振ってくれたり
すっごい優しいの癒されるの。
いつもはあんまり表情崩さないけど
お話してると結構よく笑ってくれるんだよ
って事で、
柱に隠れて様子を伺っていた薄い銀髪の背中を見つけ
忍び足で近づき、
『北さ〜ん!捕まってください!!』
勢いよく飛びつき、背後からぎゅうっと手をまわした。
「おわっ、捕まってもうた」
北さんは特によろける事もなくこちらに振り向いた
「なんやAちゃんか」
あぁ〜。そのちょっとびっくりした顔好き。
『お兄ちゃん…』
「こない可愛ええ妹、俺におったんやなぁ」
その頭を撫でてくれる手も好き。
『真っ先に北さん捕まえようと思ってすごい探しました』
「ははっ、よう見つけられたな」
その笑顔も好き。
「2分間って早いな…何もせんともう残り1分切ってもうた」
『え゛!?やだ!』
「何でも言うてや、言う事聞いたる」
あの北さんが…?私の言う事を…?
『いや!滅相もございません!!』
「ルールは守らんと」
『そうでした…じゃあ、ぎゅーさせてください!』
「ええよ、おいで」
ん、と笑顔で手を広げて待ってくれている北さんに
再び飛び付くと抱き締め返してくれて、頭ぽんぽんしてくれるオプションまで付いた。尊い。最高。
そしてあっという間に2分。本当に2分?
30秒くらいしか経ってなくない?
「ほんならまたな」
『うぁ…北さんが行ってしまわれた…』
なんて棒立ちしてしまっていた自分をぶん殴りたい。
「捕まえた」
聞き慣れた声の主を確認する間もなく、足が宙へ浮く。
抱き上げられた視界の端に見えた銀髪は、嬉しそうに笑っていた。
「北さんやのうて俺に構ってや〜」
『い、い、いやぁぁぁあ!!!』
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作者名:rae | 作成日時:2021年8月1日 22時