検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:14,795 hit

花葬 ページ33

澄んだ青空の屋上


月を反射させる鏡のように凪いだ海


誰も近づかない雑木林


森が見える屋上


誰もいない森


町外れの池に反射した夕日に架けられた橋


池を靡かせる風に写った星空に架けられた橋


延命を繰り返す白い箱庭


澄み切った海と青空


吹き抜けの暁空が照らす無人の駅


新月が輝く屋上



そして………



消えたはずの街のビルの屋上




『今年も、君がいなくなった季節がやってきたよ』


紫色の花を屋上に備える
数ヶ月に一回ここに花を備えているため、屋上の端に私が備えた花で花畑のような空間ができている

『ここに上がってくるための階段も、崩れてきちゃってた。来れなくなる日も近いかも』

返事が帰って来ることのない独り言を空につぶやく
私が、唯一救ってあげられなかった人


『あのね、私事故現場とかに置いてある花束って人生を生きた事への祝福の花束だと思うの』


君はどう思う?
なんて、聞いても帰ってくるはずないか

『ねぇ、私死ぬ事やめようと思ったの』


あの過去を忘れることなんて出来ない
だから、無理に忘れようとするわけじゃなくて
目をつむって耳を塞いで、人間らしく自分のことを一番に考えて
歩きだしてみた

『あのときの私が、前に踏み出す方法を知ってたら君は生きててくれたのかな』

君の声も、君の笑顔も
見えないままだけど……それもいいかな

嫌なものだけ頭の中から消せたらいいのに


『あのとき、君は私のことを天使だって言ってくれたけど…天使なんかじゃ、ないよ……だって君を救えなかった

それに…私はあのとき君を一人で死なせちゃった。ごめんね…寂しかったよね』




少し風強い青空の屋上


いつもどおり一人で屋上で話しかけた後
屋上を後にする



.









.










.









.






後ろでは私が作った花畑と


屋上の柵に結ばれた紫のストールが靡いていた

覗き見→←次回作



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
設定タグ:wrwrd
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - に‘‘ぃ‘‘さ‘‘ぁん‘‘ーーー (2022年10月16日 10時) (レス) @page33 id: 5511dd41f6 (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます(?). (2022年10月5日 19時) (レス) id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 全あたいが泣き発狂した (2022年10月5日 16時) (レス) @page33 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - お塩さん» よし任務遂行(???)コメントありがとうございますw! (2022年10月4日 0時) (レス) id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - レモンライムさん» とても嬉しい感想ありがとうございます!!レモンライムさんの小さなことでもいいので何か悩みを軽くできていたら嬉しいです。コメントありがとうございます! (2022年10月4日 0時) (レス) id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かみぶくろ* | 作者ホームページ:名前から飛んでね  
作成日時:2022年2月20日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。