じゃあ。私と一緒に[d!!]

花束の祈り ページ14

os視点



俺は俺でいちゃいけないの？


俺は可愛いものが好きだ
ふわふわしたものや、フリルが付いたもの
普通の女の子が身につけるような可愛いものが好きだった
カフェとかも行きたいし、洋服を見るのも好きだった
自分の性別に違和感があるわけじゃない
ただ可愛いものが好きなんだ

でも周りは、両親はそれを許してくれなかった
気持ち悪い。男なんだから。そんなもの買うな
なんで？男やったら可愛いもの好きなんはあかんの？
こっそり買ってもバレて、怒られて
俺の両親は厳しい人やから家を追い出されたり、ご飯を抜かれたり
自分の好きな事を押し殺しながら生きていくのは辛かった

もう嫌だ


os「来世は、もっと俺でいられますように」


風が強い橋の上
せめてもの抵抗で伸ばしたアシンメトリーの前髪が風に吹かれて揺れている
昨日はここに同じことをしようとしているであろう子がいたから飛び降りれなかった
けど…今日は

os「こんな夜中や。だぁれもおらへん」

独り言のようにそう呟いた
星空が奇麗だ
そして足元にある花束
俺の他にもここで絶った人がいるのだろうか
俺もここで飛び降りたら花束が増えるんやろうなぁ…

os「可愛い花束…」

『ね。ほんと可愛い』

os「っ？！」

俺の独り言に答えたのは見知らぬ女の子
白いワンピースに、俺より遥かに長いがなびいている

『可愛いお兄さん。何してるのこんなところで』

os「………」

『言わなくていいよ？飛び降りたかったんでしょ』

os「ぇ…あ……」

『ここ。人気なんだね昨日も一人の子がここにいたよ』

os「…やっぱり、飛び降りるの痛いんかな」

『わかんない』

os「そうやんなぁ…」

ふわっと返したその子
人間離れした奇麗な肌
気配も何もしなかった

俺はふと頭に噂がよぎった

os「シキ……？」

『違うよぉ…私はA！』

os「可愛い…名前」

『！…』

os「ぁ……」


またやってしまった
こんなコト言ったら引かれるに決まってる

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