どうか...私を殺してください【d!】 (ページ5)

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男と話していたらいきなり記憶が途切れた、きっと男が私を気絶させたんだろう…私は助けて欲しいなんて言ってないのに…いい迷惑だ…。

『ここ…何処？』

目を覚ました場所は、フカフカなベットの上だった…まるでお姫様が寝ているような天蓋付きベット…小さい頃…まだ能力が開花してない頃に憧れていたベットだ。

私は夢でも見てるような感覚に陥ったが、直ぐに現実へ呼び戻される…私の手袋は健在にあって私の能力はまだ残っているのだ。という事は私は化け物のままだ。

『取り敢えず…逃げないと』

きっと、こういう場所は軍とかの基地が多い…皆最初は優しくしてくれるんだ…美味しいご飯に、かわいい服…でも直ぐに周りは私を兵器としか見なくなる。

だからこそ、そうなる前に逃げるのだ…利用される前に。

？？｢何処に行く？｣

『だ…誰？』

扉に手を掛けようとした瞬間、目の前に黒い服を着た男と赤いマフラーを付けた男が現れた。

？？｢私はグルッペン・フューラー…我々国の総統だ｣

？？｢トントン、書記長やで｣

グルッペンとトントンという男は、真剣な眼差しで私を見てくる…まるで品定めしてるかの目を向けてくるんだ。

『…私を…解放して』

Gr｢ふむ…それは出来ないな｣

交渉なんて上手くいくとは思ってないけど、一応言ってみた…でもやはりダメだった…最終手段は殺すしかないけど、それは避けたい…もう人は殺したくないから。

『私みたいな…化け物…放っておいてよ』

Tn｢お前のことはゾムから聞いてるで｣

……やっぱり、ゾムの味方だったか。彼は確かに普通の人とは違う雰囲気を出していた、軍の人だと想像していたがそれが当たるとは思ってなかった…。

これは、本格的にまずくなってきた…今回はこの人たち…我々国の兵器として人を殺さないといけないと考えると息が浅くなる。

『ｯ…はぁｯ…はぁｯ…』

Gr｢落ち着け、利用したりはしないゾ｣

『嘘だｯ！皆…皆…私を化け物ｯて利用するんだｯ！』

カｯとなって手袋を外してグルッペンに触ろうとするが、トントンによって私は抑え込まれた。

Gr｢トン氏、あんまり手荒な真似は｣

Tn｢お前が死んだら元も子もないやろ｣

悔しい…私は…また利用されないといけない、そう思うだけで凄く悔しかった…私だって化け物だとしても人間なのだ、普通に過ごして普通に笑っていたかった。

Tn｢グルさん悪いんやけど…地下牢連れてくで｣

Gr｢……落ち着くまでは仕方ない｣

私はまた気絶させられた。