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『さき、失礼します。お疲れ様です』
色褪せたカバンを手に頭をさげる
すっかり暗い空の色に一つ息を吐いてみれば白く目に見える
ふと黒い車が目に入ってその黒い車は止まって、車窓が開く
竜胆「お、Aじゃん仕事帰り?」
『リンちゃん?仕事帰りだよ』
竜胆「んー送ってやるよ」
乗れよと首を動かして合図をしてくれる
『ありがとう。あデザイナーさんに渡したクッキー余ったんだけどいらない?』
竜胆「おーそこおいといて」
沈黙の続く車の中でリンちゃんはゆっくり口を開く
竜胆「兄貴、最近ど?」
少し詰まって声がでなくなる
蘭ちゃんもリンちゃんも私が気づいていることは知らないだろう
『何で聞くの笑』
付き合ってもないのに聞くのはなんで?リンちゃんも知ってるから?
竜胆「…同棲してんだろそりゃ兄貴の意外な一面知りたいし」
間を開けていつもよりわざとらしい笑い方をしてよく喋る
全部わかってるんだけどね
車から当たる風が冷たく感じてあわてて閉める
泣いてしまったら私の負け
泣く前に早く気付いてよ
『ついた。ありがとね』
答えも言わず車を出る
竜胆「……今度お茶しねぇ?」
『今度?いいよ日時きめててじゃーね』
暗闇でもわかる深刻そうな顔に胸騒ぎがした
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キクラゲ(プロフ) - @じゅらさん» ありがとうございます〜♪いつも作品見に来ていただいてもう特大の感謝を送ります受け取ってください((((殴?) (12月2日 18時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
@じゅら - 主さん、今回の作品も神過ぎです!!続きも楽しみにしてます!(*´μ`*) (12月2日 14時) (レス) id: d21974408e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キクラゲ | 作成日時:2023年11月20日 17時