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竜胆「じゃあ何でそんな不満な顔すんの」
願いは叶ったAは俺のじゃなくなった。それでハッピーエンド。すぐに気持ちを切り替えて虚しさなんてひとつものこらないって思っていた。現実は虚しさだけが俺を埋め尽くして、女と遊ぶ気持ちにもなれなくて、まだ3日しかたってないのに耐えきれないほどAを求めてしまう自分がいる。
蘭「不満だらけだよ。」
竜胆「矛盾してる…いやそこじゃねぇな。わかってんならタバコ吸うのやめろよ」
手からスルリと簡単にとられたタバコ。すきだらけの自分に調子が悪いことが分かる。理解不能な言葉を並べて遠回しに何かを伝えようとする竜胆。もう一度タバコを吸うと、俺の方向に向かって深くはいた
竜胆「Aにあってこいよ」
いつも竜胆にするイタズラ。
今日は竜胆が俺の兄みたいでなんだかいただけない。でも、今回だけは許せた。
場所も、待ち合わせも一つもしていない。なのに、気付いたら外に出ていた。
綺麗に光る夜景が綺麗な所でもない。
有名な所でもない。
人が多いとこでもない
鬱陶しいほどの人も目に入らなくてただ必死に目的地まで走った。
最初に出会ったのも、話すきっかけの場所も、再会したのも全部ここだった。所詮そんなものただの偶然に過ぎない訳がなくて今も変わらず思いでとして心に残っていた
一つの淡い影を見つけるとまだ決まったわけじゃないのにAだと感じて急いで歩く後ろ姿の肩に手をおく。
振り替える彼女を今すぐ抱き締めたかった
蘭「……ごめん」
会いたかったとか今はそんなの言えない。出てくるのは情けないほどのごめん。それだけだった
『蘭ちゃん…?どうしたの』
なのにいつもみたいに柔らかい優しい声は音を奏でているみたいで心地がよい。驚く素振りもあまり見せずに優しく微笑んでくれて、俺と会う前より生き生きとしていた
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キクラゲ(プロフ) - @じゅらさん» ありがとうございます〜♪いつも作品見に来ていただいてもう特大の感謝を送ります受け取ってください((((殴?) (12月2日 18時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
@じゅら - 主さん、今回の作品も神過ぎです!!続きも楽しみにしてます!(*´μ`*) (12月2日 14時) (レス) id: d21974408e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キクラゲ | 作成日時:2023年11月20日 17時