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蘭side
高校二年生辺りの頃、イキッたガキが喧嘩を売ってきた。外はクソ暑いし汗が鬱陶しく俺にくっつくから、ちょうどいい気分張らしにそいつを地面から動けないぐらいタコ殴りした。
スッキリして清々しい気分でブランコの心地のよい風が体にあたる。
不意に視線を感じて、横目で見れば竜胆と当時はしらないAがいた
バチッと長いまつげに透き通るような目と俺の目が合うと何だか変な感覚がして、胸の奥が高鳴った。当時から変わらずカッコつける俺はそんなの知らんぷりしてとりあえず微笑んで目をすぐさまそらした。
興味ない。なんて思い込んで見てみぬふりをした。明日にはAも忘れてるだろう
しかしAは毎日毎日この公園に来て俺のことを探していた。天気がいいときは勿論、雨の時も肌寒い時も、ついには竜胆が居ないときまで一人で公園につったってて、俺もAが俺のためだけに公園に来ているのが素直に嬉しかった。
が、高校3年になるとぷつりとAは姿を消した。いつもの公園にもいなくて竜胆の近くにも、学校にも来なくなってった
風邪でもひいてんのかな。最初こそ何かしらの理由を自分で作って公園で待ってたけどもう来ないって思えた。
けどAがこんな風に俺を待ってたのかって思うと待つのがやめれなくなってしまって
気付けば10年以上が過ぎようとした。
もう大人。女になって困ってねぇーし探す理由もないはずなのにここまで本気になって探すから俺、Aのこと特別な存在だと思ってんだって
今はないあの公園だった道を通る
不意に現れた綺麗な血色のした肌に長いまつげの彼女に根拠も何もないけどAだと感じた。
やっと見つけた。
彼女の隣に立って見る
蘭「お待たせ」
見つめられると昔の最初みたいに微笑み返した
『蘭………ちゃん』
優しいふわりとした声が何十年も空っぽになってた心を満たす
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キクラゲ(プロフ) - @じゅらさん» ありがとうございます〜♪いつも作品見に来ていただいてもう特大の感謝を送ります受け取ってください((((殴?) (12月2日 18時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
@じゅら - 主さん、今回の作品も神過ぎです!!続きも楽しみにしてます!(*´μ`*) (12月2日 14時) (レス) id: d21974408e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キクラゲ | 作成日時:2023年11月20日 17時