好きって言って【三途 春千夜】

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「へぇー俺らでいいの？」


少しの間…
働く場所が見つかったら
出ていくから

コクリと頷いた


蘭「んーいいよ、俺灰谷 蘭、こっちは俺の弟の灰谷 竜胆ね」

あっさりとオッケイされた

竜胆「どーせ家出だろ？服とか準備するから乗れよ」


危機感のない私は車に乗る

窓ガラスに写る景色
スピードが早くて景色はすぐ変わる

雨もだんだんおさまってきて、傘をさす人たちは気づけばいなくなる


皆楽しく夜の町を歩いている

そんな中いつもより息が吸いにくいのはなぜだろう


蘭「大丈夫？」


隣から蘭さんが優しく声をかけてくれる

蘭さんたちはすぐに女を捕まえれそうな顔をしている

やっぱり私、邪魔かな

景色も見ずに下を向く
背中をさすってくれる優しさにもっと苦しくなって高そうな車の中にシミを作る


でも二人は文句なんて言わなくて私の話を聞いてくれた

何で家出したのかとかも全部話した



蘭「そっか〜お兄ちゃん好きだったんだ？」


『はい、大好きでしたでも、』


竜胆「そんなやつわすれろ、これからは俺らがいる」



昔に言われた言葉今じゃ信用できない

だってそんなの嘘だったから


でも、信じたい


もう一度だけこの言葉に救われたい

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