なんでも するから。 ページ49
顔を見なくてもすぐ分かった
健人君が怒ってることぐらい。
私を抱きしめる健人君の手は
ちょっと首が締まるくらい
苦しくて、熱かった。
怖いってのと、
何より、空き時間に
祐君の写真眺めてる事がばれたのが
恥ずかしすぎて
口が開いたままふさがらない。
そしたら、健人君はさらに
口を耳に近づけて言う。
健『なあ？ 聞こえないの？』
「あ・・・
これ？ は….
たまたま移動中に車が隣だった
だけ。
それだけ、なの。」
健『 それだけ？ 』
ちょっと声が優しくなった。
「本当に、それだけ！」
健『そなんだ。
じゃ、消していい？』
「＿＿＿ぇ….それは
だめ。」
聞こえないくらい小さい声で言ってみた
するとさらに強く抱きしめながら
また、低い声で言った
健『ッフw・・へ〜消さないんだ。
じゃ、明日手越君に言っていい？
お前がここでずっと
写真見つめてたって。』
「え！だめ。絶対嫌だ！」
健『でも、本当の事じゃん
いいでしょ？』
「だめ。本当に！お願い……
なんでもするから。」
蚊の鳴くような声で言った私から
スルッっと腕を離した健人君は
回り込んで見つめてくる
私の耳たぶにやらしく触れながら
健『なんでもするの？』
その状況がさらに
言葉が出ないくらい恥ずかしくて
小さく下を向いて頷いた。
そのまま健人君は立ち去って行った。
あんなに苛立ってる健人君の顔を
演技以外で初めて見た気がした。
置いて行かれた私は、
たちまち不安になり
後を追いかけそうになるも
追う理由が見つからない。
あんなに夢中になって
祐君の写メを見つめてた事を
謝る？・・・
それは、おかしい。
”祐君を好きで見てたわけじゃないの”って言う？
だから何？・・・
ってなるか。。。
私はスタジオの端で、そんな事を考えていた。
こんなに沢山人がいるのに
大きな音を立てて
セットが解体されいく現場では
端っこにいる私はまるで
”居ない”ような存在になる
映画撮影のスタジオの中でも
群を抜いて大きなこのスタジオは
独特な空気が漂い
私にカメラが向いていない時は
ただ放って行かれた子供みたいに
何もすることがない。
私は、求められた演技を
する以外、何もできないんだ・・・
そう思うと、一気に自分が
無力に感じる。
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まゆみ(プロフ) - 更新めっちゃ楽しみにしてますー！ (2017年5月17日 5時) (
レス) id: bebb0c2e06 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - すごくいい展開ですね！！本当に楽しいです。応援してます！！！続き、頑張ってください！！ (2017年4月13日 18時) (レス) id: d19945a1ca (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ。(プロフ) - ありす。さん» ありすさん、ありがとうございます！健人君派ですか？？ 頑張って更新するのでゆっくり読んでって欲しいです！ (2017年4月7日 21時) (レス) id: beed4f413b (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ。(プロフ) - クッキーさん» 本当に嬉しいお言葉・・・ありがとうございます！これからも頑張って更新しますね！！ (2017年4月7日 21時) (レス) id: beed4f413b (このIDを非表示/違反報告)
ありす。(プロフ) - この作品ほんとに大好きです！！ もう、このお話みたいに映画化とかしちゃえばいいのになっておもいます笑 占ツクのなかで一番好きです！これからも楽しみにしてます！！ (2017年4月7日 12時) (レス) id: e8a2008b56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Dholic | 作成日時：2017年3月4日 4時
