自慢の彼女【及川徹】

42 ページ44

.


次の日の朝。ロードワーク中。
開始からわずか20分で一時中断することになった。


「あれ？皆ロードワークもう終わったの？」


体育館で備品整備をしているとゾロゾロと帰ってきた部員達。
なんと日向の失踪により、これから探すのだという。


絶対何かやらかさないと気が済まない感じ？
アハハととりあえずみんなにドリンクを渡した。

ロードワークを兼ねて二手に分かれて探そうということになったが、何故か3年チームと1、2年チーム。人数にすれば3人と8人だ。

そして、見つけたチームは食べたい物を作ってもらえるご褒美付きだという。
いいですよね！？と食い気味に問われて、思わず了承してしまった。
1、2年チームが田中を先頭に騒がしく走り出し、私達3年が残された。



「「「大丈夫かな」」」



*



3年チームの出発も見送り、2時間くらい経った頃。
誰かの走る音が聞こえためそちらへ顔を上げた。


「日向！？」


なんと帰ってきたのは失踪した日向。


「帰りました！」

「おかえり…じゃなくて皆探しに行ったよ！？」

「え！ど、どうしよう！俺いってきます！」


また出て行こうとするが、それだとロードワークが一生終わらないだろう。


「待って、また入れ違いなるからここに居なさい」


皆が帰ってきたのはその数分後。
勝敗の結果はつかず、ご褒美はお預けとなりました。



「ちなみになに食べたかったの？」


「とんこつラーメン」
「ホヤ酢」
「ショートケーキ」
「激辛麻婆豆腐！」



激辛麻婆豆腐は要検討ではあるが、喜んでもらえるなら他のものはいつか作ってあげようと思った。



.

43→←41

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す