総長の姉は三ツ谷くんが気になる【佐野万次郎】【三ツ谷隆】

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夜中の2時過ぎ

私は自分のベッドで眠りについていたが
バイクの音で目が醒めた



私、佐野 Aの3つ下の弟
佐野万次郎が帰ってきた




兄が乗ってる時からずっと聴いている
特徴的な排気音


間違えるはずがない


予想どおりその排気音は
家の前で止まった





東京卍會という暴走族の総長
それが弟の肩書き




喧嘩が強く
無敵のマイキーなんて呼ばれてる





しばらくすると
ペタペタと廊下を歩く音が聞こえ
私の部屋の前で止まった



ノックもなしに
静かにドアを開けて私の部屋に入る弟
部屋着に着替え、手には使い古したタオルケットを持ったいた



『おかえり、万次郎
喧嘩したの？』


「したけど、相手が弱すぎてすぐ終わった」


『怪我してない？』


「うん」


『じゃあ、おいで』



小さい頃は一緒に寝ないと寝れなかった万次郎
お兄ちゃんが亡くなってからは
お兄ちゃんの部屋で1人で寝るようになった




でも、喧嘩の後は
神経が昂っているのか
喧嘩の後で落ち着かないのか
一緒に寝ないと寝れないのだ



もう15歳なのにね
無敵のマイキーなんて呼ばれてるのに
私の前ではいつまでも
可愛い弟




一緒の布団に入り
万次郎の頭を撫でる




「姉ちゃんはいなくならねーよな？」


『うん、ずっとここにいるよ、万次郎』




喧嘩の後、必ず聞く言葉
私はいつもと同じ言葉を返す



最近はませてきたのか
名前で呼ぶくせに
この質問を聞く時は必ず
昔のように姉ちゃん、と呼ぶ




「俺が寝るまでずっとそうしてて」


『うん、おやすみ万次郎』


万次郎は私をぎゅっと抱き寄せ
目を閉じた


万次郎の寝息が聞こえるまで私は
彼の頭を撫でていた




これが私たち姉弟の日常

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