105.日浦海司 ページ5
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そろそろ寝ようかと、部屋の電気に手を掛けると、海司の声がした。
「Aさん、今良いですか?」
『あ、どうぞ!』
急いで襖を開けると、海司が少し驚いたような顔をした。
そして、目をそらしつつも、中へと入ってきた。
「Aさんと2人でゆっくり話したくて。」
『あ、うん、もともとそんなこと言ってたよね。』
「………ってか、なんか雰囲気違いますね。」
『え?
………あっ、そうか、すっぴんだった。』
慌てて顔を隠すと、その手を海司が掴んだ。
「可愛いんだから、隠さないで。」
『っ!?』
「それに、パジャマだから雰囲気変わるなって思っただけですよ。」
『普通のパジャマだと思うけど……』
「そういう問題じゃ………
ってか、やっぱお泊まりは正解でした。実は、翔さんにちょっと妬いてたんで。」
『えっ、何で!?』
「色々と。」
海司の真剣な表情に、思わず胸が高鳴る。
目が泳いでしまうAとは反対に、真っ直ぐに見つめたまま話を続ける海司。
「Aさん、何で光輝のこと振ったんすか?」
『え……それは………
今はそういうの考えられないっていうか……
実行委員長任されたからには、終わるまでは……』
「ふーん。真面目なんすね。
でもそれって、王子選手権が終われば、誰にでもチャンスはあるってことっすか?」
『え?
いや、でもやっぱり終わってからも考えられないかも!!』
「なんで?」
光輝には言えなかったことを、うっかり言ってしまって慌ててしまう。
だが、海司はまだ真剣に聞いてくる。
『なっ、何でも!!
もうこの話は終わり!
光輝くんにも、今の言わないで。』
「んー、別に良いっすけど、じゃあ、王子選手権が終わるまでに、俺のことも考えてくれません?」
『!?』
「俺、光輝に遠慮すんのもうやめます。」
そう言って不敵な笑みを浮かべると、おやすみなさいと言って出ていってしまった。
((なに今の!?!?
どういう意味!?
え、海司くんも……もしかして……
いやいや!))
まさかそんなはずはないと首を振り、頭から布団をかぶってうずくまった。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年7月27日 0時