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139.小田島陸 ページ39









翌朝、家で書いてきた短冊を飾るために、他の生徒より早い時間に学校へと向かった。





『!?』



「あれっ、Aさん?」




((誰もいないと思ったのに………))




中庭で陸に遭遇してしまい、少し焦りつつも挨拶をする。





『あ、おはよう!早いね?』



「商店街の七夕フェスで、ダンス披露することになったんで、振り付け考えてたんです。
公園だと、この時間サラリーマンいっぱい通るから、なんか集中出来なくて……」



『そうだったんだ。
七夕フェスって、もう今週末じゃない?』



「そうなんです、だから早く考えないと、アイツらの練習時間もなくなっちゃう……」



『いつも陸くんが考えてるの?』



「いえ、順番っすよ。
今回は俺の番なんです。
日もないから手伝うって言ってくれたんですけど、ちゃんと決めた順番なんで。」





真面目なとこが陸らしいな、と微笑むと、陸に見つめられていることに気付く。




『どうかした?』



「いや、その……
Aさん、光輝には好きな人はいないって言ったんですよね?
なんで朱雀さんには言わなかったんです?」



『え……
あの時は、みんなの前だったからなんかいっぱいいっぱいになっちゃってたかも……』




本当は、みんなに聞かれていたから言いたくなかったのだ。


そして、その時、認めたくない自分の気持ちにも気付いてしまっていた。



だが、まだ自分は誰も好きじゃないと思い込もうとしている。




「そうだったんですね。
まぁ、朱雀さんもAさんに関しては諦め悪そうですし、しっかり振った方が良いですもんね。」



『うん、まぁ……
じゃあ、私もう行くね。頑張ってね!』




逃げるように去っていくAを見送りながら、陸は顎に手を当てる。



(じゃあ、やっぱり朱雀さんのことは本当に何とも思ってなかったんだな。
アイツらにはチャンスありそうだけど……)






『はあ…………
まさか、陸くんがいるとは……。
何してるのかって聞かれなくて良かった。』




言いながら、自分の短冊を見つめる。



そして、なるべく人目につかない場所に、飾りに隠すようにしてくくり付けた。




『七夕さま、このお願い聞いてくれるかな……』






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うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみか | 作成日時:2021年7月27日 0時

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