138.七夕 ページ38
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あれから数日、今日は王子活動の一貫で七夕飾りを作ったり飾ったりしていた。
『ねえ………
これ、何で私たちが準備してるんだろ。』
竜「確かに……」
尊人「希望者募るより楽だからだろ。
まあ、こうやってみんなで準備すんのも楽しいじゃねぇか!」
『うん、そうだね。』
3Bを除いたメンバーで、七夕の準備をしていたが、割りとサクサク進み、夕方には完成させることが出来た。
みんなから集めた短冊を飾ったのち、王子たちも短冊を書き始める。
みんなが短冊を書いている間、Aは理事長室へ道具を返しに行く。
『はぁ、疲れた。
もうみんな帰っただろうし、私もゆっくり短冊書こうっと。』
笹の所まで戻り、何気なく短冊を見てまわる。
((色んな願いがあるなぁ。
あんまり見たら失礼だし、私も………ん?))
ふと、水色の短冊が目に止まった。
そこには、【Aさんが幸せでいられますように。アイツらがずっと笑っていてくれますように。】と書かれていた。
『私?
この字、もしかして陸くん?
ってことは、アイツらって光輝くんと海司くんかな?』
意図はよく分からなかったが、仲間の笑顔を願う陸に、自然と笑みが溢れた。
近くに飾られた同じ色の短冊にも、Aのことが書かれていた。
【Aさんとお付き合いできますように】
『!?』
【Aさんが光輝以外の男と付き合いませんように】
『………。』
無記名の意味がないほど、誰が書いたのか分かってしまう短冊に、Aは苦笑した。
光輝の告白はきちんと断ったはずだ。
だが、今は考えられないから断ったのだと言うことを、海司には教えてしまった。
もっとキチンと諦めてもらわないと、このままでは自分が好きになってしまうということも分かっている。
いや、もう遅いかもしれない。
それなのに、もっとひどい振り方をするなんて、Aにはとても出来なかった。
((このまま今まで通りでいようとするなんて、ズルいよね、私………
奏さんのことは好きにならないって断言できたのに、なんで………))
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うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年7月27日 0時