129.チームネクスト ページ29
・
尊人「あー、俺らも帰るか！」
竜「だな！」
その場の空気を変えるように、京極兄弟があえて明るく振る舞う。
奏にどうしても言えなかった、好きな人がいると言う言葉。
みんながいたからと言うのもあるが、認めたくない思いも強く、言うことが出来なかった。
でも、王子活動がまだ残っているため、屋上へ行かなくとも、嫌でも顔を合わせなければいけない。
海司「Aさん、ちょっと良い？」
『海司くん……』
海司「俺、このままは嫌だから、ちょっとだけ時間下さい。」
断ることなど出来ず、ネクストとAだけ中庭に残った。
海司「ひとまず、これからもAさんと笑い合っていたいんで、誤解を解きたいんすけど……
俺ら、あの日は……」
『分かってるよ。２人がナンパなんかしてないこと。』
海司「えっ？」
陸「ナンパ！？どうゆうこと？」
海司「いや、俺と光輝で駅前にいたら、TAICHIさんに声かけられて。
話してたらなんか女の人達にも声かけられて。
TAICHIさんが乗っかっちゃうからさ、断るの大変だったんだ。」
陸「なんで駅前なんか行ったんだよ、演技の練習するんじゃなかったのかよ。」
光輝「俺はそのつもりだったんだけど……。」
海司「ごめん、俺が映画に誘った。」
陸「ったく、サボろうとするからそんな目に合うんだぞ！」
しばらく３人のやり取りを見つめていたが、思わず声に出てしまった。
『そういうことじゃなくて、綺麗なお姉さんたちだったし、腕組まれてたし、なんか嫌だなって思って。』
そこまで言ってハッとする。
これでは、否定しようもないぐらいヤキモチだ。
口に出すつもりなどなかったのに、と慌てて口を押さえる。
海司「え？」
光輝「Aさんが怒ってたのって、そこ？」
陸「それって………」
ネクストの３人は顔を見合わせるが、次の言葉が出てこなかった。
どっちに？、という言葉は、誰も口に出来なかった。
聞いたら全てが終わってしまうようで。
陸「まあ、コイツらがバカだったってことでこの件は許してもらえませんか？
俺も、Aさんとはまた笑っていたいですし。」
『うん、私こそ子供っぽいこと言ってごめん！
奏さんのこともあって屋上に行きづらかったんだけど、陸くんにも心配かけちゃったね……。』
ネクストの笑顔と同時に、ようやく仲直りをし、明日の話をしながらみんなで帰路についた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます！これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (
レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます！いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみか | 作成日時：2021年7月27日 0時
