120.光輝・海司・TAICHI ページ20
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それからしばらくは、放課後は演技レッスンに励む者が多かった。
学校で行う者、自宅で行う者、野外で行う者と人それぞれやり方は違ったが、着実に演技に慣れていった。
そうして演技審査が寸前に迫るなか、光輝と海司は街に繰り出していた。
光輝「こんな本番前に映画館なんて、怒られねえか?」
海司「だからこそだろ。プロの演技見て勉強すんだよ。」
光輝「そんなこと言って、お前見たい映画があるだけだろ。」
海司「まあまあ、陸がいたら絶対ダメって言うから、今日ぐらい良いっしょ!」
陸は今日、家の用事で練習に参加できないとのことだった。
こっそりと映画館へ向かう2人に、ある人物が寄ってきた。
TAICHI「よお、おふたりさん。」
光輝「あ、TAICHIさん。」
TAICHI「買い物?」
海司「いや、ちょっと映画でも見に行こうかなって。」
TAICHI「へえ、良いじゃん映画。」
駅前で3人で話していると、そのビジュアルからとても人目を引いていた。
ほとんどの女の子は、そのまま通りすぎていくが、ある3人組が声をかけてきた。
女子A「ねえ、君たちめちゃくちゃカッコいいね!」
女子B「時間あったら、一緒にカラオケでもどう?」
TAICHI「おっ、良いねえ! 君たち大学生?」
女子C「そうだよぉ、4年生!」
光輝「えっ、俺らはちょっと……」
TAICHI「何言ってんだよ、これも社会勉強だって。」
海司「いや、行くならTAICHIさんだけ……」
TAICHI「こっちが3人だから、声かけてくれたんだろ?」
みんなに囲まれて、帰るに帰れなくなってしまった光輝と海司。
うろたえていると、今一番会いたくない人を見つけてしまった。
光輝「お、おい海司!あれ………」
海司「Aさん!?
こんなとこ見られたら誤解される………」
女子C「なにこそこそ言ってるのぉ?」
女子A「早く行こっ!」
女の子たちに腕を取られ、引っ張られるように一歩踏み出した瞬間、Aと目が合ってしまった。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年7月27日 0時