57.京極竜 ページ7
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竜に誘われて京極家へ行き、しばらく尊人と3人で談笑していると、竜が食事の支度をすると言い始めた。
『えっ、竜ちゃんが作るの?』
尊人「うちは自営業だから、親が忙しい時は俺らが交代でやってんだ。
そろそろいちごと仁も帰ってくるから、食事当番じゃない方は子守り!」
『へえ、そうなんだ?
私で良かったら、手伝うよ。』
そう言いながら、竜のあとについていく。
竜「お、さんきゅ。
今日は餃子の材料があるっつってたんだけど、それで良いか?」
『もちろん!』
竜と分担して材料を刻み、竜がこねる。
そして、2人で皮に包んで巻いていると、ふと尊人が覗き込んできた。
尊人「なんかお前ら、新婚みたいだな。」
『え………』
竜「なっ、何言ってんだよ!」
尊人「だって、すげえ良い雰囲気で妬けるじゃねえか。」
ムッと拗ねたような顔をする尊人に、可愛いなと思ってしまう。
『ごめんね、尊人くん。
しばらく竜ちゃんお借りするね?』
竜「は?」
尊人「いや、そっちじゃなくて………」
竜「あー、もう良いから!
アニキは仁たちと遊んでろよ。」
追い払われてしまった尊人は、仕方なくリビングへと戻っていく。
『あははっ、尊人くんと竜ちゃんって本当仲良いよね。』
くすくすと笑っている鈍感なAに、竜は少し溜め息を吐く。
竜「そういや、昨日陸と何かあったのか?」
『え?怪我のこと?』
竜「いや、他に何かなかったか?」
『えー、何かって?
あのあとは陸くんちで手当てしてもらって………』
竜「へえ、アイツ割りと器用なんだな。」
『だよね!
寝てる間にしてくれてたから、見れなかったのが残念。』
竜「………え?寝てる間に?」
『うん、私、陸くんが準備してくれてる間に寝ちゃってたみたいで。』
竜「何もされなかったのか?」
『当たり前でしょ!』
竜「………ったく。
男の部屋でうっかり寝るとか、無防備にも程があんだろ。
陸じゃなかったら………」
『なんかごめん………』
竜に謝ることではないのだが、何となく謝ってしまった。
そんなAに、竜はまた苦笑した。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時