92.日浦海司&小田島陸 ページ42
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陸「あっ、待ってください!」
翔「ん?」
陸「その………
もし、光輝とAさんを見つけても、そっとしておいてもらえませんか?」
尊人「は?何でだよ、アイツのこと好きなのは光輝だけじゃないだろ〜?」
ハル「俺だって、Aちゃんいなきゃつまんねえよ。」
陸「それでも!今日だけで良いんで!今日だけはお願いします。」
海司「あいつ、積極的なみんなにいつもオロオロしてるだけだったから…。
今日はやっと自分から動いたんすよ。だから、俺からもお願いします。」
真剣に頭を下げる陸。
重くなりすぎないよう、海司が爽やかにフォローを入れると、皆は少し顔を見合わせ、渋々と頷いた。
葵「………今日だけですよ。」
元「まあ、今日1日ぐらいで負ける気はしませんけどね。」
奏「え?」
元「いえ、奏さまのことです。」
久遠「………。」
とりあえず、みんなに邪魔はしないと約束してもらえたことに、陸と海司はようやくホッと息を吐いた。
3Bや理一は、映える写真を撮ることに専念し、早々に引き上げる。
葵とガブリエルは、何だかんだで会場を一周し、堪能していた。
チーム奏は、見たことのない屋台にはしゃぐ奏に、久遠と元が必死について回っていた。
そして陸と海司は、京極兄弟と一緒に祭りを楽しむことにした。
尊人と海司が水風船を釣っている間、不意に竜が口を開いた。
竜「なあ、陸。良かったのか?」
陸「ん?何が?」
竜「好きなんだろ、あいつのこと。」
陸「っ!」
竜「………バレバレ。」
ふっと笑う竜に、陸は苦笑しながら頷いた。
陸「でも、俺は光輝を応援したい。
今ならまだ、諦められるから。」
竜「それで良いのかよ?」
陸「だって、海司は今日うまくいかなかったらライバル宣言するとか言うし。」
竜「………って、海司もか?
それは厄介だな。」
陸「ええっ、海司の方は気付いてなかったの!?
余計なこと言っちゃったな……」
竜「別に、誰にも言わねえよ。」
陸「うん、まあ、竜だから話したんだけど。」
竜の切なげな視線には気付かずに、陸は、火照った頬を隠すように俯いた。
その頃、光輝とAは、一足先に祭りの会場へとやってきていた。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時