77.綾小路葵 vs 鏑木元 ページ27
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海司「光輝、手伸ばせ!引き上げてやる。」
光輝「お、おう!」
Aの太ももが頬に当たり、かなり動揺していたが、この場に1人残されているという事実に我に返る。
尊人「海司、俺に任せろ。ガブも手伝ってくれ。」
ガブリエル「はい。」
尊人とガブリエルに引き上げてもらい、やっと全員が登ることが出来た。
理事長への不満を漏らす声が多かったが、王子たちに一体感が生まれた気がして、Aは少し嬉しかった。
尊人「よーし、あとはこのまま真っ直ぐ出口まで歩くだけだ!」
海司「なんか、ただ真っ直ぐ歩いてただけなのに、すげえ冒険した気分すね。」
陸「確かに、前回体力審査だったのに、今回も体力使うことばっかやりそうだな。」
ハル「理事長の趣味なんじゃねえの?」
何となく仲良くなった気がする王子たちが、口々に話しながら歩き始める。
Aも、そのあとをついて歩こうと足を踏み出したが、未だ元に肩を抱えられていることに気付く。
『………元さん?』
元「あなたは、このまま私が出口までお連れします。」
『え、でも………』
ふと、葵の方を見やると、葵が元を鋭い目で見ていた。
元「上のエリアは私にお任せを。
またガブリエルくんが粗相をしないとも限りませんし。」
葵「くっ………」
ガブリエル「…………」
葵「分かりました、今回はこちらが譲りましょう。
その代わり、Aさんに傷ひとつ負わせてはいけませんよ。」
元「誰に向かって言ってるんです?
奏さまにお仕えしてる私が、そんなミスをするわけないでしょう。」
ガブリエル「会長に向かって、そんな口の聞き方は許せませんね。」
((なんで喧嘩になってるんだろう……
さっさと行けば良かった。))
『あの………
そろそろ肩は離してくれても良いんじゃ………』
元「手を繋いでるだけでは、あなたは転ぶでしょう?」
『それは………』
元「肩を組んで歩くのが嫌なら、抱えていきましょうか?」
『なっ………』
挑発的に微笑む元に、Aは観念して、そのまま歩いていくことにした。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時