76.騎馬 ページ26
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しばらく歩くと、例の段差のところへ差し掛かった。
尊人「さて、と。
んじゃ、一番身長のある俺から行くか。」
何とか登ろうとするが、岩が滑って上手く登れずにいた。
竜「そうだアニキ、騎馬戦だ!」
尊人「へ?」
竜「アニキが騎馬戦の上になって、先に登ってくれ!」
翔「うーん、良い考えだと思うけど、最後の人はどうすんの?」
竜「最後のやつは、上から引き上げる。
Aじゃ厳しいから、誰か他のやつが残ってくれ。」
竜が提案すると、みんなとりあえず従ってくれた。
竜、葵、ガブリエル、3B、理一も登っていき、ずっと馬になっていたネクストに疲れが見えてきた。
『みんな、大丈夫?
少し休憩する?』
奏「僕が代わりましょうか?」
久遠「何を言ってるんだ、奏!!」
元「奏さまが馬になるなど、言語道断ですよ。」
奏「でも、みんなツラそうだよ?」
海司「あー、大丈夫っすよ、まだ。」
言い合いを始めた奏たちを、海司が面倒臭そうに止める。
海司「Aさんは肩車でいけそうですし、光輝や朱雀さんはおんぶとかでいけません?
上の人に協力してもらえば。」
『うん、確かに………。』
海司の発案で、先に久遠と元を登らせ、次に光輝と陸の2人で、海司の足を持ち上げ登らせる。
そして、陸が奏をおんぶし、久遠が引き上げる。
今度は、光輝が陸をおんぶし、尊人が引き上げる。
そして、光輝とAだけが残った。
光輝「じゃあ、Aさん、肩車しますね。
そしたら、俺の肩に足をかけて、上へ行ってください。」
踏み台になってくれるという光輝に、申し訳なさを感じつつ、みんな待っていてくれてるのだからと、覚悟を決める。
かがんでくれた光輝の肩に乗せてもらうと、光輝はゆっくりと立ち上がった。
光輝「Aさん………
ちょっとヤバいんで、なるべく早めに登っちゃってください。」
『ごめんっ、重いよね!すぐ降りるね!』
光輝「えっ、違………」
光輝に気を遣って、焦って降りようとすると、岩の上で滑ってしまった。
すぐさま元に支えられ、体勢を整える。
元「まったく、そそっかしい人ですね。」
『ごめんなさい………』
言葉とは裏腹に、優しく支えてくれる腕に、心臓が高鳴ってしまう。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時