74.京極尊人 ページ24
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尊人「おう、A!
さっきまで見当たらなかったけど、どこ行ってたんだ?」
『あ、ハルさんとあっちで写真撮ってたの。』
尊人「………ハルさんと?」
『うん!
どうかした?』
尊人「なあ、俺とも撮ろうぜ!」
『うん、良いよ。』
少し表情が固まった気がしたが、すぐにいつも通り笑ってくれる尊人にホッとする。
尊人と写真を撮っていると、わらわらとみんなも撮りにやってくる。
『あー、疲れた………
こんなに写真撮ったの、人生で初めてかも。』
尊人「ハハハッ、俺たちはこれからこういうのたくさんするんだろうなあ。
早く慣れねえとな。」
『そうだね、理事長SNSにも気合い入れるって言ってたし。
イベントとかもやるだろうし、みんな有名になってくんだろうなあ。』
尊人「そんな淋しそうな顔すんなよ。
俺ら自身は変わんねえって。」
『うん、そうだね。』
Aの表情をいつも読み取って、元気付けてくれる尊人に、改めて感謝した。
元の世界では有名な人達だ、慣れているつもりだったのに、淋しいと思ってしまう自分に呆れる。
((この人達は、決して私のものではない。
独り占めしちゃダメなんだ。
もっと気を引き締めないと。
絶対に好きになっちゃダメ!))
Aには、王子活動を成功させる責任がある。
全て見届けるまでは、誰も好きにならないと改めて誓う。
ドキドキさせてくるこの王子たちに、どこまで理性を保てるのか、と苦笑した。
葵「そろそろ戻りましょうか。」
ガブリエル「もと来た道を引き返すんですか?」
TAICHI「それしかないっしょ。すげえヤダけど。」
『待って、あの2メートルぐらいあった段差登れなくない!?』
理一「ちょっと理事長に確認してみよう。」
今回は教師としてではなく、王子として参加している理一だが、やはり困った時には引率してくれる姿に頬が緩む。
『お願いします。』
理一「ああ。」
しばらく話し込んでいたが、頭を抱えて戻ってきた理一。
理一「一本道だから、何とかして登って引き返しなさいとのことだ。」
『ええっ!?ヘリコプターとかで迎えに来てくれれば良いのに!』
久遠「君はヘリコプターの大きさを知らないのか?
こんなとこに停められないだろう。」
呆れたように額に手をやる久遠に、Aはただしゅんとするしかなかった。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時