72.久遠誠一郎+ネクスト ページ22
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理一「うーん、困ったな。万が一着地に失敗したら、この美しい体に傷が……」
尊人「何言ってんだよ……
俺が一緒に飛んでやるから、行くぞ。」
理一「お、おいっ、尊人くん!」
言うや否や、尊人は理一の腕を掴み飛び降りた。
尊人「ほら、こんぐらい全然大したことねえだろ?」
理一「まったく君は………」
竜「A、俺らも行くぞ。」
久遠「俺が下で受け止めよう。」
竜「…………」
少し戸惑ったが、さっさと下へ降りてしまった久遠が、手を差し出してくれているので、座るようにして手を伸ばした。
久遠の手を掴み、引っ張られるままに身を委ねる。
久遠の胸元に飛び込んで、受け止めてもらったと思った瞬間、久遠が滑ってバランスを崩した。
奏「誠一郎っ、Aさん!!」
元「っ!!」
『…………いたたた。
わっ、久遠さんっ!!!』
手首に痛みを感じたものの、体に固い感触はなく、目を開けてみると、目の前に久遠の顔があった。
まるで、久遠を押し倒しているかのような体制に驚き、急いで体を起こす。
『久遠さん、頭ぶつけてない!?』
久遠「俺は大丈夫だ。
君こそ、手首を捻ったんじゃないか?すまなかった………」
『久遠さんのせいじゃないよ、気にしないで!!』
光輝「Aさん、大丈夫ですか!?」
陸「さっきより暗いですし、絶景スポットに出るまで、俺が支えてます。」
『陸くん……ありがとう。
でも……』
光輝「………陸?」
海司「陸や光輝より、俺の方がバランス良いっすよ!」
光輝「なっ、海司まで何言ってんだ!」
海司「まあまあ光輝、ここはAさんの安全第一っしょ。」
光輝「う…………」
しばらく様子を伺っていたが、みんな何も言わなくなってしまったので、海司が勝ち誇ったようにAの手を取った。
『………ん?
海司くん、繋ぐ手おかしくない?どっちも右手……』
海司「良いんすよ、これで。」
ニヤリと笑うと、海司は左の手でAの肩を抱き寄せた。
『っ!?』
海司「この方が安心でしょ?」
『…………もう。』
観念して、そのまま海司と歩いていくAを、光輝と陸は悔しそうに見つめていた。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時