69.夕食 ページ19
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休憩時間が終わり、各々が板場に集まってくる。
奏「ここで、僕たちが作るんでしょうか?」
理事長「その通り!
食材はそこに入ってますから、好きに使ってくださいね。
では、どうぞご自由に。」
元「ご自由にと言われましても……。」
葵「一体、何をどう作ったら良いのです?」
何人かが困っていると、尊人が軽い調子で口を開く。
尊人「お前ら、シェフにばっかやらせてるからだぞ〜!
まあ、見てろって。」
竜「アニキ、これで肉じゃがでもするか?」
尊人「旅館だし、やっぱ和食だよな!」
『肉じゃがなら、私も手伝うよ!』
光輝「じゃあ、俺は鯖味噌作りますね。
陸と海司も手伝って。」
陸・海司「おう。」
テキパキと動き出したエコノミーの面々に、感心する声が上がる。
葵「ほう、君たちなかなかやりますね。」
奏「楽しみですね〜。」
元「奏さま、そんなにウキウキしていても、出来上がるのは庶民の料理ですよ?」
『もう、またそんな言い方して。
美味しいの作るから、期待してて!』
奏「はいっ!」
久遠「………では、俺は味噌汁を作ろう。」
『えっ、久遠さん作れるの!?』
久遠「作ったことはないが、知識はある。
おそらく出来るだろう。」
((大丈夫かなあ………))
理一「それなら、僕はサラダを作ろう。
こんなに色々あるなら、美容に最適なサラダを作れそうだ。」
ハル「ん〜、じゃあ、俺らは………
米でも炊いとくか?」
翔「だな。」
ガブリエル「では、私は水菓子をご用意致します。
切り方や盛り付けで、この旅館に相応しいものにしてみせましょう。」
どうなることかと思ったが、それぞれがやる気を出してくれたため、揉めることもなく調理が行われた。
庶民の味ではあるが、ファーストクラスの面々にも満足してもらい、和気藹々と楽しい夕食の時間となった。
((良かった、セレブの人達の口に合うか不安だったから……
このまま、みんな仲良くなれたら良いな。))
少しずつ距離の縮まっている王子たちに、Aは微笑した。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» 普通の恋愛夢小説とは一風変わっておりますが、楽しんでいただければ幸いです。励ましのお言葉、ありがとうございました。 (2021年6月23日 14時) (レス) id: 5b7d0eb9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - プリロワの世界観、良きです!無理せず頑張って下さい。 (2021年6月22日 2時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます、とても励みになります! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
うみか(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 7ae50b0eb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです。その後の話楽しみに読ませてもらいました。頑張って下さい。 (2021年6月13日 8時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年5月29日 23時