転生したら乙女ゲーの悪役令嬢とかベタすぎて笑えないんですけど。

笑えない15 ページ19

「うるさい！そういうお前はどうなんだ。どうせそこら辺の奴らみたいなちゃちな下級魔力だろう。」


なんだコイツ、さっきから。ただのバカじゃねぇか。


これはもう娘が可愛いってよりも、自分が正しいって思い込んでるやつか。


まったく、今日はイライラさせられっぱなしなんだけど。


『いい加減になさったらいかが？そんなにギャーギャーと喚いて、見苦しいことこの上ないったら。
先程から聞いていると、常識を持ち合わせていらっしゃらないようですわね。

儀式での服装は、なるべく飾り気の無いものにするのが常識ですのよ？
銀のブローチに赤いリボンなど、ありえませんわ。

それに、下級魔力をちゃちだなんて、魔力を授けてくださる神への無礼もいいところ。

それと、いくら子供といえど、身分が上の人間には敬語を使うべきではありませんこと？
相手が許可したならまだしも、初対面でいきなりお前などと……

あぁ、そう言えばご挨拶がまだでしたわね。

私(わたくし)はユリ･シャイレスト 真名をアマテラスと申しますわ。
以後お見知り置きを。』


メアリのお父さんはポカンとしている。


そりゃそうだよね。だってさっきまで見下してた相手がお貴族様だったんだから。


この国では苗字があるのは爵位を持つ貴族だけ。つまり、名乗れば少なくとも貴族か平民かは一目瞭然って訳。


更に言えば、シャイレスト家はこの国で王族の次に権力を持つ家。


ロズワルド王国国民なら知らない人はいないくらいの名門貴族って訳。


「シャイレスト……？」


『ええ。ところで、こちらが名乗ったのですから、そちらも名乗ってはいかが？

知らなかったとはいえ、公爵家にそれほどの口が聞けるのですから、余程の身分でいらっしゃるのでしょう？』


「あ、いや、私はその……」


こっちが貴族だと知った途端にこの変わりようw一人称変わってるじゃん。私ってw


てか、私今超悪役だよね。爵位を振りかざして平民をいじめる令嬢ってとこ？

……計画通りだ(｡ ・`ω・´) ｷﾗﾝ☆




「ユリ、なにをしてるんだい？」


おっとお兄さまの登場だ。

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